令和3年第5回(9月)伊予市議会定例会
9月7日(火) 一般質問
自民党
北橋 豊作 議員
1. 農業経営継続強化策について(パート2)
2. 防災・減災及び道路の安全対策等について
3. 新型コロナウイルス「デルタ変異株」対応等について
午後2時35分 再開
○議長(日野猛仁 君) 再開いたします。
続いて、北橋豊橋議員、御登壇願います。
〔12番 北橋豊作君 登壇〕
◆12番(北橋豊作 君) 議席番号12番、北橋豊作です。
今般は3問の質問をさせていただきたいと思うわけでございます。武智市長以下、理事者の明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。
まず1点目、農業経営継続強化策(パート2)でございます。
本年6月第3回伊予市議会定例会で、武智市長の市政に取り組む所信表明があり、産業振興都市の創造について述べられております。農業振興では、農業は人が生きていく上で不可欠な食糧や農産物を供給する重要な産業であり、まさに国の根幹をなすべきものであります。
しかしながら、後継者不足、高齢化、農地の荒廃など、様々な課題に直面していることから、今後地域農業をいかに維持し、次世代に継承していくかという視点が重要になっていると考えております。
そこで、新規就農者確保につきましては、県、JAと連携を密にして、サポート体制によるより多くの新たな人材確保に努めます。遊休農地の解消や持続可能な農地利用を推進するため、農地の利用実態を的確に把握しながら、スマート農業の実践に向け、農地集積・集約化を図り、また農福連携につきましては、障がい者等が農業分野で活躍することを通じ、就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、新たな働き手の確保につながる可能性があるため、今後調査研究を行うとうたっておられます。市長就任に当たり、農業政策についての方針を示していただき、大変心強い限りであります。今回、このことを踏まえて3点の質問をさせていただきます。
1点目、水田フル活用と支援策、米と麦の関係であります。
米につきましては、コロナの直撃を受けた外食業界やインバウンド等の減少等による消費減で過剰在庫が積み上がり、本年の米の作付につきましては、生産の目安の設定以来、官民挙げて目標達成に向けた推進活動が展開されてきました。多くの地域では、田植が終わった後も飼料用米などへの転換の取組が図られ、結果といたしまして、全国の作付面積で対前年度比6万5,000ヘクタール減、ちなみに愛媛県の生産面積は1万3,600ヘクタールでございますので、愛媛県全体の面積の4年8か月分を田植後新たに飼料米等に転換した、いわゆる深掘りが見込めたことによりまして、21年産米の出来秋の暴落は何とか避けられそうであります。
しかしながら、昨年までの過剰在庫もあり、本年度産米のJA等の買入れ価格は昨年に比べ大幅に安値となっております。
一方、裸麦の生産量は、34年連続愛媛県が日本一、中予を中心に東予でも多く栽培がされております。本市では、現在北山崎、南伊予など、20名以上の生産者が期間借地等で生産拡大を図っており、新品種「ハルヒメボシ」への品種更新や排水対策の徹底と天候にも恵まれた関係で、令和元年から3年続けて大豊作であります。そのことから、実需者が2年分の在庫を抱えることとなり、販売先の全国農業協同組合連合会等との協議の中で、一部小麦への生産にシフトすることが決定されております。それには多くの課題もあります。今後、担い手の経営安定と水田農業の持続的発展のためには、主食用米の競争力強化と併せて戦略作物である麦、特産野菜等を組み合わせた水田フル活用等により農家所得の拡大、農地保全と高度利用を目指した水田農業経営を推進することが、本市において不可欠であると私は思っております。農業振興センターとして、県、JAと連携し取り組まなくてはならないと思うわけでございますが、米、裸麦等による水田フル活用についての理事者の御所見をよろしくお願いいたします。
2点目、スマート農業の取組についてであります。
スマート農業とは、ロボット技術やICT──情報通信技術、AI──人工知能やIoT──モノのインターネット等の先端技術を活用して、超省力化や生産物の品質向上を可能にする新しい農業のことであります。
日本農業は、農業従事者の高齢化、後継者不足に伴う労働力不足をはじめ、耕作放棄地の増加や食料自給率の低下など、様々な問題を抱えていますが、スマート農業は、日本農業が抱える課題解決、成長産業化する試みであり、推進が急務であると思われます。一般的にスマート農業と聞くと、ドローンや収穫ロボット等がイメージされますが、気象ロボット、アシストスーツ、AI選果機等ハード面から、経営・栽培管理システム等ソフトの両面があります。本県では実証段階ではありますが、南予ではJAにしうわのスマート農業研究会、これはかんきつであります。東予では西条市、地元企業、これは住友化学でありますけども、JAで、「カット野菜もシャキシャキ AIが仕切るスマート農業」をテーマに実証を行っております。
そこで、提案でありますけども、農地中間管理機構関連農地整備事業を活用して、これは農家負担ゼロでありますけども、これを導入しますと、伊予市の負担も10%は要ります。面的集積と農地整備と併せてスマート農業の実証を行ってはと思うのですが、理事者の御所見をよろしくお願いします。
3つ目、農福連携で就労支援をと題して、農福連携は、生きづらさを抱える人や障がい者などが、農業分野で活躍しながら、自信や生きがいを持って社会参加することを促していく試みであります。
農水省は、農福連携技術支援者の育成に本腰を入れております。農福連携の現場には、実践手法をアドバイスする専門人材で取組の拡大・定着が必要であり、各自治体と連携し推進するとしております。農業版ジョブコーチとも言われ、農業と福祉の知識を持ち、農福連携に関わる農業者、福祉事業者、障がい者の3者に実践手法を具体的にアドバイスします。農福連携を円滑に始め、継続できるようにするのが狙いであり、農業者、福祉事業者、JAや行政職員がなるケースが多いように思われます。技術支援者の全国的な規模は、まだまだ小さいわけですが、農福連携全体の質を上げるには必要であると思います。農業は人手不足、障がい者は就労先がそれぞれ不足しており、農福連携は、双方のに利益につながる取組であります。本市では、各種研修会開催や試みも行っておりますが、まだまだ定着するには時間がかかります。入り口といたしまして、農福連携技術者の育成や相談窓口の一元化は重要であると思われますが、理事者の御所見をよろしくお願いします。
以上、3点お願いします。
◎市長(武智邦典 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 武智市長
〔市長 武智邦典君 登壇〕
◎市長(武智邦典 君) 北橋豊作議員より、農業経営継続強化策について御質問をいただきました。私からは3点目について答弁申し上げ、1点目と2点目につきましては、産業建設部長から答弁を申し上げます。
農福連携、私自身大きな可能性を期待をいたしておるところでありますけれども、農業は、担い手不足や高齢化が進み、労働力の確保が課題とされる中、農業者にとっては、障害のある方を貴重な働き手として、また障害のある方にとっては、収入を得て経済的自立への一歩となる貴重な職場となることから、農福連携は、双方の課題を解決できる可能性を備えた方策と認識もいたしております。
政府は、令和元年度に農福連携を全国的に進めるビジョンを決定し、労働力が不足している農家や農業団体と障がい者の働く場を確保したい福祉事業所のつなぎ役となって、職場への定着を支援する農福連携技術支援者、いわゆる農業版ジョブコーチの育成により、令和6年度までに新たに3,000件創出する目標を示し、今年度は農林水産省が研修を年2回に増やすほか、都道府県でも実施も増えていく見込みでもございます。
こうした流れを受けて愛媛県では、農業分野における障がい者就労促進に向けた取組を充実強化するため、地方局管内の県、市、町、JA各機関の農業振興に携わる職員及び障がい者の就労支援に携わる職員で構成する中予地区農福連携推進チームが設置され、農業分野における障がい者就労促進に資する連携体制づくり等に努めているところでもございます。
また、全国の成功事例から、農業と福祉の双方に詳しい人材が関わることが重要で、障害の特性に合った仕事を依頼することが肝要と捉えて、愛媛県は農福連携ビジネス推進事業により、農業者と障がい者就労施設等を対象とした意識啓発セミナーや農作業体験マッチング、農業版ジョブコーチの育成に取り組まれております。北橋議員お示しのとおり、農福連携の質を高めるには、お互いの理解を深めた信頼関係が成り立ってこそ、農福双方の利益につながるものと存じてもおります。
そこで、本市におきましては、生産現場を担当するJAの実務者が、農業者と福祉事業所をマッチングさせる県の支援事業に着目し、伊予市農業振興センターが有する県農業指導班、JA営農支援センター、市農業振興課の連携機能を生かしながら、福祉事業所の現状に詳しい市民福祉部と協力して、まずは施設外就労による農福連携の取組について丁寧に検討してまいる所存でもございます。
なお、農業版ジョブコーチの育成につきましては、福祉事業所のスタッフ等を対象に、農業講座が開催されており、そこへ県、市、JA職員も参加していることから、継続による研修会の充実とスキルアップに期待を寄せるところでもございます。農福連携は、障がい者だけでなく、高齢者や生きづらさや働きづらさを抱える人も対象にする動きが加速をしていることから、研修や実践を通した経験を積み重ねながら、今後連絡会形式がよいか、また窓口一元化がよいかの判断を行ってまいりたいと存じております。
以上、答弁といたします。
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◎産業建設部長(武智年哉 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 武智産業建設部長
◎産業建設部長(武智年哉 君) 農業経営継続強化策について、私から1点目と2点目について答弁申し上げます。
まず、水田フル活用の支援策(米・麦)につきましては、主食用米の需要が年々減少傾向にある中、水田農業の維持発展に向けて需要に応じた生産を図りながら、高収益作物の導入等による収益力強化を推進しようと、伊予市農業再生協議会が策定する水田収益力強化ビジョンに基づき、作物ごとの作付予定面積等を設定し、課題解決に取り組んでいます。
また、新品種ブランド米の「ひめの凛」や裸麦奨励品種「ハルヒメボシ」の採種圃場に指定され、県内における優良種子の生産と安定供給に貢献しているところです。
しかしながら、議員お示しのとおり、本年産米の作付面積が、需給均衡に必要な水準を達成した一方で、食生活の変化による消費減退や新型コロナウイルス感染拡大の影響による想定以上の需要減で在庫が膨らみ、米の余剰感が否めない状況です。その上、米の需給を占う民間在庫量は、今年の作況次第で、余剰感がさらに膨らむ可能性もあるため、今後も米の買取り価格は厳しい状況が続く様相でございますし、麦も同様、豊作基調になることを手放しで喜べない事態となっているのが実情です。
そこで、国においては、産地の長期計画的な販売を支援する米穀周年供給・需要拡大支援事業を拡充して、秋口の余剰感の回避を図るなど、供給過多による値崩れを防ぐ取組を始めています。
そうした中、本市においては、コロナ禍を要因とする米需要の減少について、感染が収束に向かえば、一定の需要回復が見込まれる判断から、引き続き良品質米の生産維持に努めながら、麦との二毛作に有効な産地交付金の在り方や飼料用米による耕畜連携を含めた産地づくりの検討に取りかかる考えでございます。今後とも伊予市農業再生協議会を核として、国の施策展開も注視しながら、県、JAとの連携を密にして、水田の高度利用と農業の多面的機能の発揮に向け、高付加価値化や低コスト化、水田経営の所得安定と農地の利用率の維持に努め、農産物の需要動向に対応できる均衡の取れた供給産地を目指してまいる所存です。
次に、スマート農業の取組についてお答えいたします。
農地中間管理機構関連農地整備事業は、公益財団法人えひめ農林漁業振興機構が15年以上の借受け期間を設定して借り入れた農用地等を対象に、農業者へ費用負担を求めることなく、水田や樹園地の基盤整備が行える事業です。県内の事例を申し上げますと、松山市では主に果樹園、西予市では主に水田・野菜畑で取り組まれ、現在も進行中でございます。本市におきましては、令和元年度に双海地域の久保・両谷地区から、遊休農地の解消を目指す農地集積について要望を受け、地域へ出向いて話合いを重ねた経緯がございますが、本事業は、農業者の負担が生じない代わりに、従来の基盤整備事業に比べて採択要件が厳しく、農地における収益性向上を目的とした推進品目の生産と担い手への農地集積がどうしても整わず、残念ながら現実に至っておりません。
議員御提案の基盤整備と併せたスマート農業の推進は、相乗効果が期待でき、賛同いたしますが、基盤整備は、地域の合意形成に時間を要する一方で、スマート農業の技術は、日進月歩であることから、今年度から松山連携中枢都市圏構想(まつやま圏域未来共創ビジョン)の中で、ICTを活用したスマート農業の研究に取り組む予定があるため、まずその検討を踏まえまして、本市における可能性を探ってまいりたいと考えます。
なお、農地中間管理機構関連農地整備事業につきましては、農地の利用権等の取りまとめが必須ですし、市の財政負担も発生することから、地域で取り組む意識醸成が図られた上での要望等がございましたら、実現に向けた協議の場へ職員を参画させる所存です。
以上、答弁といたします。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) 御答弁ありがとうございました。
ちょっと再質問を2点ほどさせていただきたいと思うわけでございますけども、1点目は再質問ではないわけでございますけども、農福連携の関係につきましては、武智市長から詳しく御説明をいただいたわけでございます。日本には、生きづらさを感じておる方が全体で約600万人ぐらいいるというふうなことでございます。障がい者と合わせると、かなりの人が農福連携で農業をやっていただく、漁業も含めてでありますけども、可能性があるということで、一人でもやはりそういう方を農業に、漁業に持っていただく。そのためには、農業版ジョブコーチというふうなことでございますけれども、国では研修を5日間、そして実地を4日間の9日間研修を受けて、農水省が示す試験を受けて合格すれば、いわゆる指導者・ジョブコーチになれるわけでございます。徐々に増えておるわけでございますので、今後そういう方を、いわゆる市民あるいは社会福祉協議会でもええわけでもございますし、職員でもいいわけでございますけども、計画的にやっぱり研修を受けていただいて取っていただくとともに、窓口につきましては、今後検討するというふうなことでございますので、このあたり早急に検討していただきまして、いわゆる指導者・ジョブコーチが育成できますようによろしくお願いいたします。
それと、これはもうこれでいいわけです。米の関係につきましても、本年度につきましては、普通国は出てこんわけでございますけども、農水省が先頭を切って6万5,000ヘクタール、むりこやりこ東北・北海道を中心に飼料米に転作させたというふうなことでございますけれども、それで何とか暴落が避けられたというふうなことでございますが、これがいつまででも続くわけやないわけでございますので、伊予市農業再生協議会で、今後水田農業の在り方につきましては十分御検討を願ったらと思います。
それで、質問でございますけど、まず麦の関係でございますが、麦も3年続けて大豊作であるというふうなことの中で、非常に販売を苦慮しております。麦は御承知のとおり、植えて交付金が出るのだと、90%が交付金であります。ですから、この関係で、いわゆる数量払い交付金、麦が余るということで、小麦にシフトをする。大体中予地区では、松山市農協が50ヘクタール、えひめ中央が50ヘクタールというふうなことで申合せしておるようでございますけども、なかなか問題が大きいと。特に単価が安いと、後作に影響をするというふうなことです。そんな中で、いわゆる麦と同じように圏域における産地交付金補填で、本年度はいわゆる対応する予定にしておるわけでございますけれども、伊予市再生協議会において、産地交付金のメニューの中に、小麦転作に対するメニューをつくったらどうなのかというふうなことを私は考えておるわけでございますが、その件について御答弁をお願いしたいというふうに思います。
それから、農地中間管理機構関連整備事業、詳しく説明いただいたんですけども、今愛媛県で希望地域が108か所出てきております。伊予市ではないわけです。近隣では重信、それから砥部もあるわけです。これにつきましては、なかなか難しい案件もあるわけでございますけども、今後やはりスマート農業を含めてコスト低減、それと収益向上を含めた中で、若い担い手がやっぱり育成するためにはこれが必要じゃないかと思うので、もう一度今後の伊予市の考え方についてお願いいたします。この2点再質問です。よろしくお願いします。
◎農業振興課長(窪田春樹 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 窪田農業振興課長
◎農業振興課長(窪田春樹 君) 私のほうから、北橋議員の2点の再質問につきましてお答えをいたしたいと思います。
産地交付金は、伊予市水田農業再生協議会が交付をしておるものでございます。経営安定対策の推進を掲げて、関連する業務を円滑に実施するため、行政と農業者団体との連携体制を維持しながら、業務作業を堅実にこなすことに重点を置いて、これまで数年同額で運用を行ってきたところでございます。
しかし、昨年はコロナ禍の影響を受けた高収益作物について、次期作に前向きに取り組む生産者への対応が必要となり、急遽高収益作物次期作支援交付金事業への対応を求められまして、突発的な事案に対しまして、機動的に取り組むことで成果を残したところでございます。
組織といたしまして、時代の変化に対応しなければならないタイミングが来ているということで、国からの新たな施策を待ち望んでいたり、農業者から強く求められたりといった、受け身での検討を始めるようではいけないというふうなこと、戦略的な思考に向かわないというふうなことを担当職員とも協議を始めていたところでございます。そうした中、議員のほうから、主食用米の競争力強化と併せて戦略作物の麦と特産野菜等を組み合わせた水田フル活用に向けての御意見をいただきました。先ほど部長の答弁で申しましたとおり、産地交付金の在り方などに検討を加えることで、交付金の効果を有効に発揮できる運用を検証いたしまして、主体性を持って地域の実情に即した交付金となるよう、これから検討をしてまいる考えでございます。
2点目の農地中間管理機構関連農地整備事業につきましては、久保・両谷のケースを通しまして、この事業による基盤整備の効果につきましては、担い手への農地集積・集団化、新規農業者の確保・定着、高収益作物の生産拡大高品質化、遊休農地の解消・発生防止等、非常に幅広い効果があることを再認識いたしております。これにスマート農業を絡めることで、さらなる相乗効果をもたらすとの考えを持ったところです。地域からの要望がございましたら、地域に出向いて事業説明を丁寧にさせていただきたいと考えております。
以上、答弁といたします。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) よろしくお願いします。以上で終わります。
○議長(日野猛仁 君) 次に行ってください。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) 2点目でございます。防災・減災及び道路の安全対策等についてでございます。
近年は、気象変動による豪雨など、各地で自然災害の激甚化・頻繁化が相次いでおり、国民の誰もが災害のリスクにさらされております。南海トラフ巨大地震等の大規模地震の発生も危惧されております。これまでの水害対策は、河川や下水道、砂防施設などの管理者である国や各自治体が主体で取り組んできました。
しかし、気象庁によりますと、滝のように降る雨とされる1時間に50ミリ以上の雨の年間発生件数は、2011年から20年が平均334回で、1976年から85年の約1.5倍に増加し、想定を超える豪雨災害が相次いでいます。こうした事態から市民の命を守るには、河川やため池などの従来の対応の考えを変える必要があります。本市では、昨年12月、伊予市国土強靱化地域計画を策定し、大規模自然災害時に市民の命が確保され、被害が最小限に抑えられるとともに、速やかな復旧・復興が可能になるよう、災害に強い強靱なまちを推進し、市民、地域、企業及び国、県等と協働して、強さとしなやかさのある地域社会・経済の構築に向け、地域強靱化への取組を加速させますとあります。
そこで、3点の質問をいたします。
1点目、防災重点ため池改修についてであります。
県では、本年4月に県内20市町で組織する愛媛県農村地域防災・減災対策推進協議会で協議し、愛媛県ため池保全サポートセンターを開設いたしました。県内の農業用ため池は3,147、伊予市は161か所であります。うち防災重点ため池は1,755か所、伊予市は98か所で、ほとんどが江戸時代頃に築造され、地元の住民組織や水利組合などが管理しており、本年度は東・中・南予各40か所程度について、1つ目、現地での点検・パトロールの指導、2つ目、漏水、変形などを計測し、劣化状況評価などを実施することとなっております。本市の防災重点ため池98か所のうち90か所が旧伊予市地域に集中し、扇状地に分布しており、万が一決壊した場合には、標高の低い市街地に水が流れるおそれがあります。改修は、地元団体と協議の上、本市が県に申請しますが、改修事業には多額の費用が発生し、高齢化や担い手不足で農家が減少する地域にとっては、重い負担となっております。本年6月定例会で、地元負担割合が4%から2%に引き下げられるとともに、今後2か年で未作成のため池ハザードマップ作成予算も可決され、改修事業が加速されることを期待しております。
そこで、現在までのため池改修状況と本年度の改修計画及び改修が進まない要因についてお伺いいたします。
2つ目、これは盛土の安全対策についてであります。
前線や低気圧の影響で、西・東日本では、先月11日頃から20日頃まで、10日間以上にわたって激しい雨が降り、各地で甚大な被害をもたらしました。線状降水帯発生により、1時間80ミリ以上の非常に激しい雨が降った地域もあり、低地の浸水や河川の氾濫、山間地域では土砂災害が発生し、多くの人命も失われております。今後も少しの雨でも危険度が高まると思われます。日本列島は、各地で何十年に一度の気象事変に悩まされております。そんな中、国は、20名以上の死者を出し、また数名の安否が不明となっている静岡県熱海市の土石流被害を受け、盛土の安全対策に関する関係省庁会議で、土砂災害や地滑りが起きるおそれがある地域を対象に、崩落などの危険性を総点検するよう指示を出しております。
本市では、人家に影響が及ぶエリアに危険な盛土が何か所存在するのか、また今後の対策と併せてお伺いいたします。
3つ目、生活道路(通学路)の安全対策でございますが、これにつきましては、森川議員と重複する関係ですけれども、通告しておりますので、よろしくお願いいたします。
本年6月28日、千葉県八街市の道路で、下校中の児童の列にトラックが突っ込み、5人が死傷する痛ましい事故が発生しました。トラックの運転手は、飲酒運転だったそうです。ルールを守らず、子どもたちの命が奪われ、運転手の自覚のなさと無責任さに言葉もありません。
一方、通学路の安全対策は、一足飛びには行っていません。このような事故が起こるたびに、国は通学路の総点検を行うよう自治体に指示を出しております。今回も菅総理は、速度規制や登下校時間に限り車両通行止めをするなどのソフト面とガードレールなどの整備等のハード面の両面を組み合わせた効果的な対策を作成し、速やかに実施すると述べております。本市でもゾーン30の設置や安全対策をソフト・ハード面の両面で講じておりますが、まだ不十分であります。現在、通学路の総点検を実施していると思われますが、現状と課題についてお伺いいたします。
以上、3点よろしくお願いいたします。
◎産業建設部長(武智年哉 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 武智産業建設部長
◎産業建設部長(武智年哉 君) 防災・減災及び道路の安全対策等についての3点の御質問のうち1点目と2点目について私から答弁申し上げます。
1点目の防災重点ため池改修のうち、まず現在までの防災重点ため池の改修状況は、本市の防災重点ため池98か所のうち、改修済みが48か所、改修率49%となっております。この改修済みため池48か所のうち、約6割の27か所のため池は、老朽化対策を目的とした旧基準での改修を実施しており、耐震性能照査が追加された新基準に適応している改修済みため池は21か所、改修率21%となっております。
次に、本年度の改修計画につきましては、上吾川市ノ坪池、稲荷土段池、宮下新池の3か所を県営事業として改修工事を進めております。
次に、改修が進まない要因につきましては、地元関係者と工事期間や地元分担金などの協議が進まないことも要因の一つと考えておりますが、入札を執行するも、人手不足や予定価格と実勢価格が乖離している等の指摘があるなど、契約に至らないことがより大きな要因であると考えております。
ため池改修工事のほとんどは、土を転圧し、堤体を築造する盛土工法を採用しており、天候の影響を受けやすいことや現場土質試験を頻繁に実施する必要があることなどから、工期や技術者の配置期間が長期にわたり、他の公共工事と比べ、作業効率が悪いと認識しております。本市といたしましても、発注者である県と連携し、業者が受注しやすくなるよう、様々な対策を講じてまいる所存であります。
次に、2点目の盛土の安全対策についてでございます。
本市において面積が3,000平方メートル以上の大規模な盛土造成地は3か所あり、そのうち人家に影響の及ぶおそれがあるのは、大平地区のみどりヶ丘団地、中山地区の門前団地の2か所でございます。今後の対策につきましては、三秋地区の日新化学工業を含めた3か所の現地踏査及び優先度調査を今年度実施し、優先度の評価を行うこととしております。その結果を基に、次年度以降、詳細な調査や対策工法の検討を進めることとなります。
以上、答弁といたします。
◎教育委員会事務局長(佐々木正孝 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 佐々木教育委員会事務局長
◎教育委員会事務局長(佐々木正孝 君) 防災・減災及び道路の安全対策等についての3点目、生活道路(通学路)の安全対策についての御質問に私から答弁申し上げますが、森川議員への答弁と重複する点がありますことを御理解願います。
まず、通学路の安全点検の実施内容等については、森川議員に答弁申し上げたとおりでございます。
本年度は、35か所の安全点検を行いましたが、道路構造上の問題や予算上の制約等もあり、一足飛びには解決できない問題箇所が多く見受けられる中で、根本的な解決策にはなりませんが、森川議員の再質問でも答弁申しましたとおり、2学期開始までに、幅員減少という注意喚起の路面標示を行っていただき、ドライバーへの注意喚起が行えた箇所もございます。このように各関係機関においては、学校側の要望を検討していただくような回答をいただいている箇所もございますので、今後も危険箇所についての要望を行ってまいりたいと考えます。
以上、答弁といたします。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) 御答弁ありがとうございました。
この件は1点だけ再質問させていただきますが、防災重点ため池の改修の工事の関係であります。
私は、地元稲荷でございまして、現在稲荷の土段池の改修工事をやっておるわけでございますが、この関係については、もう何回も入札不調ということで、3回か4回ぐらい入札不調になって、やっと通年施工──通年施工というのは、2年間かけて工事をやる方法でやっております。昨日も実を言うと、見に行きましたんですけども、業者さんが、いわゆる樋というのが詰まって抜けないので、いわゆるポンプ車で水を出しておるというふうな状況です。やっぱりため池がなぜ入札不調になるのか、先と進まんのか、これはもう道路工事とか河川とか橋と違って、雨が降ったら、まず仕事ができないと、ここに一番大きな問題があるのと、大体松山市の場合は、いわゆる花崗岩が風化したような真砂土なんです。乾けばさらっとするんですが、伊予市は和泉砂岩と思うんですけどもヘドロなんです。ですから、土段池につきましても、ヘドロにいわゆる生コンを打ち込んで、セメントを入れて、固めてそれから出すというふうな、非常に手間の要る工法でやる予定にしております。
再質問でありますけれども、やはり入札不調を回避し、そして工期短縮することが一番だと思うんですけれども、盛土工法というふうなことで現在やられておるわけでございますけれども、鋼土が必要であります。これは地元で調達しなければいけないんですけれども、なかなか広田へ行ったり三秋で調達したりしておるわけなんですけども、工法をベントナイト方式とかシート防水方式でやれば、工期は短縮できると思うんですけども、工法の変更はできないものかどうなのかというふうなことで、また通年施工でどうしてもやらなけばいけないため池工事については、積算単価と言いますけど、いわゆる諸経費の見直しができるのかどうか。国で決めております大体ため池の積算根拠というのは北陸農政局が決めて、これが全国統一の積算単価になっとるようでございますけども、変更はできないものか、この2点について再質問させていただきます。よろしくお願いします。
◎市長(武智邦典 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 武智市長
〔市長 武智邦典君 登壇〕
◎市長(武智邦典 君) 今北橋議員が言われた工法につきましては、もし農水課長あたりが答弁できるのならいたしますけれども、現実にもう御案内のとおり、土質試験等々、当然雨にも左右されますけど、しないといけない当然鋼土の関係もあるでしょう。今年・去年はコロナ禍で瀬戸大橋渡りませんでしたけれども、おととしには中四国農政局にも行って、歩掛かり、俗に言う共通仮設費も例えば現場管理費も一般管理費も、やはり池の改修という部分に即応した経費をつくってくれないと、まず駄目なんですよと。要は、そら新しく改築ということで池を造るんであれば、どの土建屋さんというか建設業者も手を上げます。だけど改修ということになると、なかなか様々な条件下で、現状の池の盛土の上を仕事しながらやっていくということで、これは実際大変なんです。だから、伊予市の入札とは言いながらも、結局は全て経費とか施工方法は、ある意味国のほうで決まっておるので、今北橋議員が言われた工法等ともしっかりと研究しながら、また中四国農政局や建設業協会、これは現実にいけば建設業協会、関係はないんですけれども、仕事するのはやっぱり土建屋さんなんです。だから、建設業協会のほうも去年も愛媛の建設業者さんを集めたときに、私発言もしました、池のことも。そういったことを含めて、何とか江戸時代に造った池が、伊予市は大変私は怖うございますので、様々なことをしながら、財政等もにらみ合いながらですけれども、しっかりと構築してまいる所存であります。
あと具体的なことは、答弁させます。
◎農林水産課長(武智博 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 武智農林水産課長
◎農林水産課長(武智博 君) 失礼します。
北橋議員の再質問に私から答弁を申し上げます。
まず、1点目の工法についてでございますが、国庫補助をもらっておりまして、県のほうが経済比較の下、工法を決定しておるもので、現在のところ本市におきましても、ほかの県営工事では、盛土工法を採用しておるところでございます。
また、もう一点の単価の見直し、設計費用の見直し等については、愛媛県のほうでは、国のほうに歩掛かりとか単価、そのあたりの要望は行っておると聞いております。現在の状況での愛媛県での取組といたしましては、当然ではありますが、最新の単価の採用、このあたりを徹底すること、また工事用道路や先ほど言われた水開口など、仮設に係るものを適切に積算計上を行っておると。あと不調になった場合、稲荷の土段池もそうなんですが、不調になった場合は、指名業者全社から聞き取りを行い、必要に応じ、設計の見直しを行っておると聞いております。
以上です。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) ありがとうございました。
また、上吾川で市ノ坪の池の改修もあるわけでございますが、入札不調が起こらないように、適切にまた要望するところは要望していただいて、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。
○議長(日野猛仁 君) 次に行ってください。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) 最後でございますけども、新型コロナウイルスデルタ変異株の対応等についてであります。
新型コロナウイルスのデルタ変異株(インド型)の広がりは、災害レベルとされる感染拡大で、第5波が猛威を振るう中、国では感染抑止策として、3つの柱を重点策に掲げております。1つ目の柱といたしまして、ワクチン接種の加速化、2つ目に感染防止策の徹底、3つ目は医療体制の整備としております。現在、本県では、8割がデルタ変異株に置き換わっており、8月11日からは、感染対策期に引上げ、感染防止に最大限の警戒を呼びかけております。このデルタ変異株は、子どもを含め全年代層で感染しやすく、感染力は従来の2倍、入院リスクは2.08倍、死亡リスクは2.32倍、これはWHOが発表しとるわけでございます。と言われております。特に20歳未満の子どもの新規感染者の割合が、先月下旬では全体の20%を占め、もう終わりましたが、夏休み中は家庭内で子どもが感染するケースが目立つが、学校が始まれば、インフルエンザのように子どもを介して家庭内で感染が広がる可能性があると言われております。国内では、12歳未満のワクチン接種は認められておらず、感染抑止策をどうするかが喫緊の課題であります。
また、専門家は、実際に感染場所が多岐にわたり、密になる場所だけではなく、家庭や職場にも広がっています。今までの感染対策では、防ぎ切れない状況が生まれていると指摘しています。現況、ワクチンによる集団免疫の獲得は遠のいており、従来型のウイルスでは、人口の六、七割の接種が目安とされておりましたが、デルタ型は八、九割に上った公算が大きいと言われております。接種率を最大限に上げるとともに、コロナとの共存も視野に入れた出口戦略が必要になってきております。
その観点から3点の質問を行います。
1つ目、本市のワクチン接種状況(直近)と今後の接種計画についてであります。
本市では、直近8月27日から30歳から39歳までの市民約2,900人に接種券を発行しておりますが、現在までの65歳以上の高齢者と64歳以下の世代の接種状況、今後の計画及び受験や就職で行動範囲が広くなることが予想される高校3年生の接種率について併せてお伺いいたします。
2つ目、公立小・中学校の感染防止策についてであります。
デルタ変異株の特徴の一つが、児童への感染が広がっていることであります。萩生田文部科学大臣は、学校で感染者が出た場合は保健所と協議し、休校や学級閉鎖を決めていますが、地域によっては、学校で判断できる指針を決定──〔一般質問終了5分前のブザーが鳴る〕──していると言われております。
また、教職員のワクチン接種の希望者には早められるようお願いするとともに、抗原検査の簡易キットを小・中学校へも広げると明言しております。本市の場合において、それらの活用を含めた感染防止策と課題、また学校で感染者が出た場合の対応策と課題についてお伺いいたします。
3つ目、昨年度本市の地方創生臨時交付金総額と実効性及び今後の支援策についてであります。
昨年度3回に分けて国の補正予算が組まれ、地方創生臨時交付金として各自治体に交付されました。本市では、困窮する飲食業界、中小企業の支援、農林水産業者への支援はもとより、指定管理業者に対しても様々な支援施策を講じてきましたが、その総額と実効性、また本年度も引き続きコロナの収束の見通しが立たず困っている飲食業者、中小企業、指定管理業者等への支援策についてお伺いいたします。
以上、3点よろしくお願いいたします。
◎教育長(上岡孝 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 上岡教育長
◎教育長(上岡孝 君) 北橋議員からの新型コロナウイルスのデルタ変異株対応等についての2点目、公立小・中学校の感染防止策についての御質問に私から答弁いたします。
議員も御案内のとおり、感染力が強く、若年層に広がる傾向があるとされるデルタ変異株については、学校現場においても危機感を強めているところであります。
そこでまず、休業や学級閉鎖の判断について御説明いたします。
国が示すガイドラインについては、議会初日の終了後に、私から議員各位に説明させていただきましたが、現在愛媛県では、学校の教職員・児童・生徒等に陽性確認があった場合、学校に影響がないことが明らかな場合を除き、直ちに一斉下校や学校休業等を実施し、保健所調査の結果、安全が確認され次第、速やかに再開することとなっており、国のガイドラインを上回る対応を基本に対応してきております。
また、現在のところ本市では、所管の保健所の指導や助言を迅速かつ的確にいただけている状況にあり、学校が独自に判断をしなければならない事態には、至っておりません。今後も愛媛県の方針に従いつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
また、教職員の感染防止対策も厳格に進めているところで、特に議員御要望の教職員への迅速なワクチン接種につきましては、接種希望者は保健センターの集団接種において、優先的に接種を実施することとしております。
抗原検査の簡易キットについては、国から配布があった後には、教職員の負担過重とならないよう配慮しながら、検査の手順や安全性を確立していくことが求められるところと認識しております。感染が拡大傾向にある中で、学校現場は緊張感を持って新学期を迎えており、本市では、当面の間、時間短縮や部活動の停止・縮小をはじめ、マスクを外しての体育や合唱、器楽演奏、調理実習を見合わせるなど、さらなる感染防止対策の強化に努めるているところであります。今後も状況を適宜把握しながら、安心・安全な学習の場の保障に努めてまいりたいと存じます。
以上、答弁といたします。
◎市民福祉部長(向井裕臣 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 向井市民福祉部長
◎市民福祉部長(向井裕臣 君) 私から、1点目の本市のワクチン接種状況と今後の接種計画について答弁申し上げます。
本市における8月30日現在の接種率は、65歳以上では約92%、64歳以下では約40%となっております。このように接種がほぼ完了している65歳以上については、非常に高い接種率でありますが、接種未了者が多い64歳以下の接種率は、現時点の予約状況から判断し、最終的には75%程度になると予想しております。
今後の接種計画として、9月9日には16歳から29歳までの対象者約3,300人へ、9月20日の週には12歳から15歳までの約1,300人へ接種券を発送し、全市民への配布が完了いたします。
なお、これら29歳以下の接種時期は、9月中旬から接種が開始となり、11月中旬に2回目の接種がおおむね完了する見込みであります。
また、国、県からも要請があった妊娠中の方への優先接種について、8月31日には9月以降に出産予定の妊婦82人対し、配偶者分も併せて接種券を発送しており、9月17日と24日の金曜日午後6時から保健センターにおいて、妊婦のみを対象とした集団接種が実施できるよう準備を進めております。
次に、8月から接種を開始した高校3年生への優先接種は、8月31日現在、対象者330人のうち162人が接種済みまたは接種予定であり、接種率49.1%でありますが、接種希望者は日々増加傾向にあります。いまだ新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中、ワクチン接種が本市の将来を担う若者の一助となり、明るい未来が開けることを願う次第であります。
以上、答弁といたします。
◎産業建設部長(武智年哉 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 武智産業建設部長
◎産業建設部長(武智年哉 君) 続いて、3点目の2020年度における本市の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の総額と実効性及び今後の支援策につきまして、まず国の2020年度予算において、本市に対し示された臨時交付金の交付限度額は、1次配分から3次配分までの総額で9億7,748万5,000円であります。このうち1次・2次配分については、2020年度中に決算済みとなったものが5億256万3,000円あり、残余のうち1億7,021万8,000円は、2021年度に繰り越して事業を継続しているところであります。
さらに、2020年度末に国が3次配分として示した部分は、本市の2021年度4月補正と5月補正予算の財源として2億6,213万6,000円が編成され、こちらも現在執行中となっております。
次に、臨時交付金の実効性について、新型コロナウイルス感染症の影響により困窮を極めている事業者を支援するため、臨時交付金を活用し様々な支援策を講じてまいりましたのは、御案内のとおりであります。2020年度におきましては、感染拡大に伴う自粛要請等により売上げの急減に直面している市内事業者に対し中小企業等応援給付金、市内宿泊施設利用促進事業費補助金、バス・タクシー事業者支援金などの給付事業をはじめ、国や県が行う融資を受けた事業者に対する利子補給事業、さらには従業員を休業させ、雇用の維持を図ろうとする事業者に対し国、県の支給に市が上乗せ助成を行う事業など、17の取組を実施しましたが、この中には市公共施設の指定管理者に対し、厳しい状況においても安定的かつ持続的な施設運営を行うことができるよう支援を行った事業も含まれております。現時において、事業実施に伴う実際の効果や影響を数値として明らかにすることはできませんが、支援を受けた事業者からは、国、県、市の手厚い支援により、経営の維持が図られたとの声を数多くいただいたほか、感染症を直接原因とする倒産や従業員解雇が確認できていないことから、大きな効果があったものと考えております。
一方、いまだ感染症が収まりを見せない中、公的支援の存続充実を求める動きがあるのも事実であります。2021年度におきましても、3次配分及び協力要請推進枠交付金を活用することにより、新たなビジネススタイルの定着に向けた取組を行う事業者に補助金を支給する地域産業力強化支援事業、PayPay株式会社と連携してキャッシュレス決済の推進を行うボーナスキャンペーン、バス・タクシー事業者等への支援事業に加え、愛媛県と県内市町が連携して実施する愛媛版応援金の給付事業など、多様な支援制度を提供しており、事業継続の下支えに一定の効果をもたらすことを期待しております。
なお、市公共施設の指定管理者への支援につきましては、他の民間事業者との公平性に鑑み、昨年度に限定した制度として実施したこと、また実行には多額の予算を必要とすることから、新たな交付金が配分されない中での実施は難しいと考えており、今年度は、昨年度のような手法での支援は行わない方向である旨、通知しているものであります。
以上、答弁といたします。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) 再質問をちょっと時間があれなんですけどさせていただきたいと思うんですが、まず学校の関係でありますけれども、教職員への保健センターでの集団接種を優先的にというふうなことでございますが、これいつ頃やられるのかということと、今デルタ株に変わっておるわけでございますが、当初飛沫感染というふうなことでクローズアップされておったんですけども、ほとんど空気感染ということが分かっておるわけなんです。空気感染となると、もう一番は家庭でも学校でも換気だと思うんですけども、今どのような換気ですね、学校の授業中の。どのような対応をしておるのか、また給食する場合に、普通40分の中でマスクをのける。ある学校では、もう15分だけマスクを外して、あとはマスクを着けるとか、そういう対応をしておるところがあるんですけども、そこ辺の状況についてよろしくお願いしたいと思います。
それから、2点目ですけども、ワクチン接種状況でありますけども、最終的には伊予市の場合75%というふうなことでございますが、世界的に見てみますと、大体2回目の接種で60%ぐらいで頭打ちになっておるというふうなことです。コロナよりもアフターコロナ、ウィズコロナ、いわゆるコロナと共存するというふうな中で対応しておる国がほとんどです。ゼロコロナについては、ニュージーランドと中国だけだと思うんですが、そんな中でやっぱりデルタ株につきましては、80から90%のワクチン接種率を上げないと、集団免疫はできないということですが、伊予市の場合は75%で、特に若い方のいわゆるワクチン接種について若干啓蒙不足か、徐々には上がってきておると思うんですけども、その対応策についてお伺いしたいというふうに思います。
それと、各事業者への支援でありますけれども、本年度の当初予算では、国はいわゆるコロナ対策で地方創生臨時交付金、5,000億円ぐらいですか。あとは計上してないわけでございますけれども、一説によりますと、まだコロナが収束しない中で、いわゆる昨年度2020年度と同じようなコロナ対策費を出さないかんということもあるんですけど、もし出た場合には、同じような形で支援するのかどうなのか、ちょっとそこの考えをお伺い願ったらと思います。
以上、3点です。よろしくお願いします。
◎教育長(上岡孝 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 上岡教育長
◎教育長(上岡孝 君) 失礼します。
議員の再質問にお答えしたいと思います。
学校の感染対策ということですけれども、先ほど議員言われたように、デルタ株については、空気感染ということも十分考えて学校に指示はしております。授業中の換気は、前より数多くするようにということ、それから給食につきましては、全員一斉前を向いて、一応黙食ということで、そういうことを心がけて学校でやっていただいております。
それから、希望する教職員については、9月11日に接種をしてもらうということで、保健センターのほうで計画をしております。
先ほど言われましたように、学校でできる限りのことは、今精いっぱい伊予市の13の小・中学校でしていただいております。ただこの暑さですので、熱中症対策を十分に考えた登下校、それから教室での授業、それから体育の授業等、運動場と体育館、そういったことの熱中症対策も考えながら、適宜学校の現場で考えながらやっていただいております。
以上、答弁とさせていただきます。
◎健康増進課長(下岡裕基 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 下岡健康増進課長
◎健康増進課長(下岡裕基 君) 失礼いたします。
それでは、2点目につきましてお答え申し上げたいと思います。
まず、北橋議員のほうから、デルタ株の場合、80%以上が必要ではないかということですが、これにつきましては、先ほどの答弁書の中にありますのは、64歳以下については75%程度なるのではないかという想定であります。トータル12歳以上につきましては、トータルでは80%を超えるものと想定をしております。
また、若い世代への接種につきまして、これにつきましては、本市の若い世代の接種対象者が12歳から29歳以下、大体約5,400人ほどおります。これにつきましては、マスコミ、報道等によりますと、接種しない理由というのがありまして、過去の予防接種でアレルギー反応が出たという健康上の問題のほかに、感染しても軽症で済むのではないか、あと副反応が怖いといった理由から接種を避けていると考えられますが、感染力が強いとされる変異株による感染拡大により、若者の重症化の報告事例もありますことから、若い世代の接種率向上が、感染拡大を抑制していく上で大変重要であると考えておりますので、これまで以上の周知等の取組が必要であると考え、そういった対策を講じたいと思います。
以上です。
◎経済雇用戦略課長(小笠原幸男 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 小笠原経済雇用戦略課長
◎経済雇用戦略課長(小笠原幸男 君) それでは、北橋議員の再質問3点目につきまして、私のほうから答弁をさせていただきます。
先ほどの答弁の中で、これまで1次配分から3次配分まで総計で9億7,700万円あると申しましたけれども、このうち当課に関わる部分につきまして38事業で5億1,700万円になります。さらに、この中で事業者支援に関わるものにつきましては、答弁の中にもありましたけれども昨年度17で今年度7、合計約3億7,000万円でございまして、まだこのうち1億円以上が未執行となっておりますので、まずは今年度実施している事業等をしっかり執行してまいりたいと考えているところでございます。
併せて、本日の3時から愛媛県知事の記者会見において、新たな支援策が発表されるというふうに聞き及んでおります。こちら現時点では、詳細についてつかんではおりませんけれども、こちらにつきましては、至急情報を集めまして、必要予算の確保、また事業内容の調整等に努め、議員の皆様には、可能な限り早急にお示しできるよう対応をしてまいりたいと考えております。
4次配分があった場合等の活用方策につきましてですけれども、こちらにつきましても、社会情勢等を勘案いたしまして、しっかりと事業者支援を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
◆12番(北橋豊作 君) 議長
○議長(日野猛仁 君) 北橋豊作議員
◆12番(北橋豊作 君) 御答弁ありがとうございました。再々質問はございません。
今までコロナウイルスに感染した方が日本全国で150万人──〔一般質問終了1分前のブザーが鳴る〕──日本の人口1億2,600万人から割りますと1.2%です。ということは、逆に言いますと、98.8%の人はかかってない。でもワクチンを打ってもかかる可能性があります。いわゆる可能性を秘めておるというようなことであります。そういうことで、医療の逼迫を回避するためにもワクチン接種、そして回避対策を徹底して、コロナに負けない社会、伊予市をつくっていきましょう。ありがとうございました。以上で終わります。
○議長(日野猛仁 君) 暫時休憩をいたします。
午後3時43分 休憩
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