録画中継

令和6年第2回(3月)伊予市議会定例会
3月5日(火) 一般質問
無所属
田中 慎之介 議員
1. 放課後児童クラブの値上げについて
2. 全国学力調査の結果について
            午後2時00分 再開
○議長(北橋豊作 君) 再開いたします。
 続いて、田中慎之介議員、御登壇願います。
            〔1番 田中慎之介君 登壇〕
◆1番(田中慎之介 君) 議席番号1番、みらい伊予田中慎之介です。
 議長の許可を得ましたので、通告書に従って2点の一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
 それでは、1点目、放課後児童クラブの値上げについて質問します。
 資料1を御確認ください。
 これが次年度に放課後児童クラブに入会決定された保護者に対して、伊予市福祉事務所長の名前で出された料金改定のお知らせです。時期は令和6年度中のどこかということになっているものの、唐突な印象は拭えず、保護者の方から相談を受けた際にも、私は何のことか分かりませんでした。子育て世帯に対して、安心して子どもを預けて仕事に打ち込める環境整備は、未来につながる大切な施策であることは誰もが理解しているはずです。昨今の物価高騰に伴い、値上げやむなしという社会情勢であるものの、果たして物価は1.6倍以上まで上がってしまっているのか。今回の値上げは、伊予市の子育て世帯に対する姿勢、何より次代を担う子どもたちへの姿勢について改めて問う機会となりそうです。
 放課後児童クラブの値上げについて大きく4点の質問を行います。
 1点目、値上げ検討の経緯と業者との契約について。
 そもそもこの値上げ検討に至る経緯について御説明ください。
 また、保護者負担金については、仕様書に明記されているはずです。現在はもうホームページで見ることができませんが、私のメモには、(7)保護者の負担金については、通常利用者は月額1人3,000円、そして途中省略しますが、最後に、なお、市の承諾なしに変更することはできないものとすると残っています。これは、令和8年までの契約のはずだったと記憶しております。
 今回の値上げについてのお知らせは、業者との契約を変えて、市がそれを承諾をするということでしょうから、その理由をお示しください。
 また、なぜこの保護者への案内文が、子育て支援課ではなく、伊予市福祉事務所長の名で出されているのかも疑問ですので、お示しください。
 2点目、金額の妥当性についてお聞きします。
 確かに、愛媛県内の中でも、現状の伊予市の保護者負担は安いほうだと思います。それが、伊予市が子育てしやすい町、住みやすい町の一因となっているのではないでしょうか。それを値上げする際の理由が物価高騰だというのであれば、あまりにも値上げ幅が大き過ぎるのではないでしょうか。近隣市町に合わせる必要がどこにあるのでしょうか。松山市と東温市と松前町を例示していますが、砥部町はどうですか。砥部町は、17時半までの預かりですが、3,000円です。土曜日の預かりが別料金であったり、夏休みの料金が伊予市より高額ではありますが、市町によって保護者負担の割合は様々であり、合わせる必要などなく、伊予市として放課後児童クラブをどういう位置づけに置いているかが問われるのではないでしょうか。
 金額を月に5,000円程度、長期休暇期間については近隣他市町と同程度に変更する妥当性をどのように考えているのか、示してください。
 3点目、保護者のニーズをどう捉えているのかお聞きします。
 今回の値上げについて、反対の署名活動などを行っている地域があることを承知しています。私の住む北山崎地区でも、先日PTAの集まりの際に、役員の皆さんを中心にこの値上げについての意見を聞きました。御意見は実に様々です。子どものためやったら銭金の問題ではない。その値上げで子どもたちを安心して預けられるのであれば、仕方がないというふうに理解を示す方もいます。一方で、やはり料金の値上げはしんどい。クリスマスとかハロウィンなどのイベントやプログラミングなど、そりゃやってくれるのであればうれしいけれど、そのせいで値上げになるのであればそこまで求めてないんだけど。預かってもらって、学校の宿題を終わらせてくれるだけで十分なのだけどという御意見。値上げするんやったら、枠も増やしてくれないと。うちは、来年3年生なのに、もうはじかれてしまって入れない。来年1年生になる保護者の方も入れなくて困っているみたいですよ。田中さん、まずしっかり枠を増やして預かってくれる体制をつくってよ。そしたら、保護者もみんな値上げには納得してくれるはずよという御意見。残念ながら、今回の保護者負担の増額とこの預かる枠を増やしていく、運営費用を増やしていくということとは、ちょっと話が違うのでしょうが、それは公務員の皆様方であれば常識かもしれませんが、一般的な保護者の方からしてみれば、価格が上がるということは、サービスの質も上がるんだろうと考えるのも当然だと思います。皆さんも、高級ホテルに泊まれば、安価なホテルに宿泊するよりもすばらしいサービスを期待するのではないでしょうか。
 また、この資料1の最後、お知らせの最後の3行ですが、以上の内容を受けて辞退される場合はという一言は、次年度も放課後児童クラブを利用したいんだったら、値上げには賛成しなさいということでしょうか。値上げが嫌だったら、児童クラブを利用せずに仕事もどうぞ辞めてくださいということでしょうか。この一言をもって、利用者の皆さんは、値上げに同意していると判断をするのはあまりに乱暴ではないかと思いますが、市としてそういう意味ではないということは、きちんと答弁していただきたいと思います。
 4点目、それでもどうしても値上げが必要だという場合についてです。
 放課後児童クラブの保護者負担金についての記載が、仕様書にしか存在していないというのがこの問題を大きくしている一因ではないでしょうか。条例に記載されているわけでもなければ規則もない。仕様書の変更であれば、もちろん市長にはお話に行っているだろうと思いますが、私たち議員は知る由もない。この状況は、果たして適正でしょうか。値上げをどうしてもしなければならないというのであれば、議会あるいは全員協議会にて私たち議員に対してもしっかりと説明をしてもらいたい。議員を納得させられないような値上げを住民が納得できるはずがありません。この点についてはぜひ前向きな答弁をいただきたいと思います。
 以上4点、よろしくお願いいたします。
◎市長(武智邦典 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 武智市長
            〔市長 武智邦典君 登壇〕
◎市長(武智邦典 君) 田中慎之介議員より、放課後児童クラブの値上げについて4点の御質問をいただきました。私から答弁申し上げます。
 まず、1点目につきまして、児童クラブに係る経費は、運営費と直接費で賄われておりますが、施設の設営や維持、人件費等の運営費は、本市からの委託料により全て賄われております。
 一方、図書や教材、おやつ等の直接費は、利用児童に直接還元されることや利用をしない過程との公平性を確保する必要があること等を理由として、以前から保護者負担金により賄われております。
 田中議員お示しのとおり、昨年12月下旬、令和6年度の利用決定に併せ、保護者負担金の料金改定に係るお知らせを送付させていただきましたが、このたび改定を検討しておりますこの直接費につきましては、サービス内容に地域格差があることや、昨今の諸物価高騰を受け赤字となっていること等、委託契約に定めのない企業努力による負担の問題点がより顕著になってまいりました。具体的には、3,000円の保護者負担金に対し、令和4年度決算時において、既に1,200円程度の不足が生じておりました。そのため、本市の児童クラブを長期的かつ安定的に運営していくため、変更契約を前提としてまずは実績に基づく保護者負担金改定の可能性について事前に御案内したものであり、周知時期等について一部配慮の欠けていた手法であった点は否めません。この場をお借りして改めておわびを申し上げますが、本市の放課後支援策を健全に維持するためのやむを得ない措置であったと捉えてもございます。
 なお、保護者負担金の改定は、市の決定事項であったものの、具体的な金額や時期等は未定であり、このたびの通知は、事前連絡との位置づけに鑑み、本市福祉施策の事務上の責任者である福祉事務所長名での周知とさせていただきました。
 次に、2点目につきましては、放課後児童クラブは、児童福祉法に基づく事業でありますけれども、任意の行政サービスに位置づけられており、もちろん利用料金を他市町と合わせる必要はございません。
 しかしながら、他市町では、保護者負担金の安さをうたう放課後児童クラブがある一方で、保護者負担金が高くてもより魅力的な活動内容と質の向上を実践し、充実した放課後を提供する放課後児童クラブもあると承知をいたしております。
 今回のお知らせでは、改定した場合でも、近隣他市町と比較して著しく高い金額になるわけではないということをお知らせをする意図で利用料を例示したものでありますけれども、その際、事業存続に主眼を置き、保護者負担金の改定のみを提示したことは改めて強く反省する次第でございます。
 次に、3点目につきましては、各家庭には、児童クラブに対する個別のニーズや期待があると承知をいたしております。
 しかしながら、児童クラブ本来の設置目的は、労働等より保護者が昼間不在の家庭における児童の健全育成であります。そのため、各児童クラブにおいて可能な範囲で特色ある学童保育を実施する一方、行政サービスの一環として公平性や平等性に配慮した基準の下、利用児童や保護者を全て包括した経営を行わざるを得ないことを御理解いただきたいと存じます。その上で、お知らせの意図は、新年度の利用開始後に予告のないまま改定することは最も避けるべきとの思いから実施したもので、現在の利用児童を切り捨てるといった意図は一切なかったことを併せて御理解いただきたいと存じます。
 最後に、4点目につきまして、具体的な金額や時期等につきましては、現在慎重に検討しているところでありますが、実施の際には保護者や議会への説明を適切に行い、御理解をいただけるよう努めてまいりたいと存じております。
 以上、答弁といたします。
○議長(北橋豊作 君) 再質問。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) ありがとうございます。保護者の方も通知を受けて、市が意図しているものと受け取った側との誤解が幾分生じたんだろうというのを私も認識をしていますし、この誤解がまず解けるということが大事なんだろうと思います。
 その点で、2点お聞きします。
 まず、1つは、今回先ほど私3点目の質問の中で、保護者のニーズは結構様々あるというふうに聞きました。これに、こういった保護者に対してアンケート等で意見を聞くような準備があるのかどうかというのをお聞かせいただきたいと思います。
 今回の値上げに関してなんですが、当然、様々なサービスがあれば、私立に行けばかなりいろんなサービスがありますよ。松山市であれば、月額2万8,000円ぐらい払っていけば、当然児童を預けるだけじゃなくて、そこで英語の勉強もできます、水泳指導もします、運動指導します、そういったサービスがあるんですよね。今回のこの伊予市の公設民営でやっている、この児童クラブがどうあるべきかということだと思うんですけど、これちょっとどんな例にしようかなと思ってて、喫茶店の例でいきましょうか。私がよく行く喫茶店は、コーヒー600円なんですよ。しばらく飲んでたら、梅昆布茶サービスでどうぞと持ってきます。ありがとうございますと受け取りますよ。これが、価格が高騰して、梅昆布茶の値段が上がってきたので、じゃあ料金上げましょうよということになって、コーヒーの価格600円から1,000円になったら皆さんどうですか。何が言いたいかというと、放課後児童クラブで預けるときに、例えばそこにプラスアルファのサービスって多分いろいろあると思うんです。うちの子どもが通っていた北山崎児童クラブでも、例えばうちのはお菓子がありますよとかあるいはプログラミング教室やってくれてますよとか、クリスマスやらハロウィンのときにこんなイベントやりますよとか、そういったプラスアルファのもの、これはこういうのがありますよと言ったら、当然、サービスを受ける側としてもありがとうございますというふうになりますが、これはプラスアルファであったらいいものだと思います。
 一方で、私、お菓子を例えば食べさせるということは、ねばならないものだと思うんです。こういったことを考えたときに、単純に今までやってきたプラスアルファのサービスがある。それを維持するには赤字になっているから値上げということになったときには、果たして本当にそれが市民のサービスになっているのかどうか、本当にプログラミング教室要るのかな。うちの木工教室というのもありますね。うちの子も作品作ってきて、これすごいなと思って家帰って調べたら、ネットで安い値段で買っても880円でした。そういった物を使って子どもたちにやらせている。それはありがとうございます。でやってくれるならありがとうございますと。いや、今後も木工教室やりますんで、月額4,000円にしますになるのがどうなのかということです。こういったものがやはり市民のニーズを聞く上でアンケート等があったほうがいいと思うのですが、どうでしょうか。
 もう一点、本市福祉政策の事務上の責任者である福祉事務所長名で周知させていただきましたとありますが、福祉事務所長、皆さん誰か御存じですか。空岡部長ですよね。これ福祉政策、確かにそうですけど、福祉事務所長が放課後児童クラブのことについて果たして本当に何かしてるのかなというのが甚だ疑問です。だって、申込書は伊予市長様に出すんですよ。そして、児童を監護できない申立書も伊予市長様で出すんですよ。そして、就労証明書も伊予市長様で出すんですよ。全部申込みのときには、放課後児童クラブは伊予市長様で出すのに、何でこの値上げの周知は福祉事務所長なんでしょうか。これが、そりゃ本市福祉政策のと言われたら、確かに児童福祉の位置づけにはなるかもしれませんけど、この点から見たときに、私もちょっと調べたら、伊予市福祉事務所長に対する事務委任規則のところを見ても、放課後児童クラブのことについて事務委任規則がどこにも見当たらないんですが、何をもってこの福祉事務所長名なんでしょうか。これは、ただただ不信感を招くんじゃないでしょうか。値上げをするというんであれば、市がやるんであれば、子育て支援課長、市民福祉部長でもいいかもしれません。何なら僕は伊予市長名でもいいと思いますよ。それがなぜ管轄をしているのは子育て支援課で、市民福祉部長なのに、その市民福祉部長の名ではなくて、福祉事務所長の名前で出てしまうのか、これはもっと本当に値上げするというんであれば、真正面から向き合うべきだと思うので、通知等については子育て支援課長名、市民福祉部長名か、何なら伊予市長自ら値上げに対しての理解を保護者の方に周知するほうがいいのではないかと思いますが、この2点について再質問を行います。お願いします。
◎子育て支援課長(太森真喜恵 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 太森子育て支援課長
◎子育て支援課長(太森真喜恵 君) 田中議員の再質問1点目につきまして私のほうからお答えをさせていただきます。
 アンケートの準備はということでございますが、現在、伊予市子育て支援課のほうでは、第3期の子ども・子育て支援事業計画のアンケートをお送りしまして、学齢期のお子さんとあと就学前のお子さんを持つ保護者の方にアンケートをしている最中でございます。その中で、自由記載欄もございますが、児童クラブに限定した項目はございませんので、この児童クラブに特化したアンケート調査の実施も含めて、今後検討してまいりたいと思っております。
 以上、答弁とさせていただきます。
◎市民福祉部長(空岡直裕 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 空岡市民福祉部長
◎市民福祉部長(空岡直裕 君) 失礼いたします。
 私から2点目の福祉事務所長での発出の件につきまして答弁申し上げます。
 これにつきましては、通常、私どもの事務の中で、福祉事務所長、いわゆる先ほど御説明がありました市民福祉部長であり私のことではあるんですが、こういった名称の利用は、通常決定通知とか重い判断のとこでやっている場面が非常に多いです、分かりやすく申し上げますと。それで、今回、この値上げにつきましても、大変重要な問題というふうにも捉えておりまして、議員御指摘のとおり、分かりやすく言えば、通常子育て支援課長で出す部分であるんですが、そういった値上げというようなところも踏まえまして、事務上の取扱いで事務所長名で出そうかということの判断に至ったところでございまして、今後のこういった通知の活用につきましては、当然、また分かりやすい表現であったりとか、そういったところを踏まえた判断にしたいというふうに考えております。そういった意図で使い分けをしたところでもございますので、御理解賜りたいと思います。
○議長(北橋豊作 君) 再々質問ありませんか。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) 事務委任規則のどこにあるんだっていうのがありますけど、まあいいでしょう、見当たりませんけど。ただ、要は、やる以上は真正面から向き合って、市がやる姿勢を見せないと、何で横からこの御覧のとおり誰も知らない福祉事務所長、僕も今回質問するから初めて知っただけの話であって、市としてやる以上、市が真正面から向き合った形で市民と対応しながら決定していくことを強く求めまして、1点目の一般質問を終わりたいと思います。
○議長(北橋豊作 君) 次に、2問目に行ってください。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) それでは、2点目の質問、全国学力調査の結果について質問いたします。
 さて、正式名称は、令和5年度全国学力調査・学習状況調査ですが、これ多岐にわたりますので、今回の質問では全国学力調査のほうについてのみ質問を行いたいと思います。
 2003年のPISAの結果により、日本が大きく順位を下げることになりました。いわゆるゆとりから脱ゆとりに向かう道筋のきっかけとなったやつですね。2007年より小・中学校で全数調査の形での全国学力調査が復活をして随分とたちました。この全国学力調査ですが、愛媛県は長らく良好な成績を残してきました。2017年では、小学生が全国4位で、中学生が全国5位という好成績で、おおむね小・中学生ともいわゆる全国トップテンの常連と言っても過言ではなかったと思います。皆さんの認識もそんな感じではないでしょうか。
 しかし、2022年、雲行きが怪しくなってまいりました。2021年小学生10位、中学生7位だったのが、2022年に小学生が12位で踏ん張るも中学生が21位。それでも、正答率は一応全国平均は上回っていたものの、県教委は課題として新学習指導要領を反映した問題の正答率を挙げ、対策の必要性を述べていました。
 伊予市の令和4年度の調査結果概要でも、そのあたりの対策の必要性に触れられています。伊予市だけの平均正答率を見れば、小学算数で愛媛県の平均を1ポイント下回ったものの、その他は愛媛県の平均正答率を上回っていた、これが2022年でした。
 しかし、翌年2023年には、愛媛県は小学生18位、中学生24位とさらに順位を下げることとなり、小学生の国語が全国平均と同じで、残りは全て全国平均を下回っていると、こういう結果になりました。
 そして、伊予市は、小学生は算、国とも愛媛県平均も全国平均も上回りましたが、中学生は英、数、国とも全国平均を下回り、愛媛県平均と比べても、国語が同じで、英、数は下回るという結果でございました。正答率で見た順位というものは、1ポイントで一気に変動するものですので、私自身も一回一回の順位や平均点で一喜一憂するものではないと思っています。ただ、当然、100点満点の指導や結果というものはないわけで、伊予市調査結果概要の目的にもあるように、この結果を受けて、それまでの教育施策の成果や今後の課題を検証して改善を図ることが大切だと感じます。
 そうした観点から、3点の質問を行います。
 1点目、令和5年度の伊予市の小・中学生の結果についてどのように分析されているでしょうか。
 令和5年度の伊予市調査結果概要を読みました。皆さんのほうにも資料でタブレットのほうに入れていると思います。平均点のことと良好だった項目のことしか書かれておらず、課題点についての記載がありません。全国平均を下回り、愛媛県平均も下回っている結果を受けて、課題点がないということはありません。そのあたりをどのように分析されているのか、教えてください。
 また、調査結果概要には示されていませんが、いわゆる学力の二極化が起こっていないかを心配しています。平均点だけでは分からない部分です。その平均点の分布がどのようなものになっているのか、中央値と平均値のばらつきが大きいのか小さいのかあるいは標準偏差が大きくなっているのかいないのか、どのような分布になっているのか、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
 2点目、ホームページに掲載されてますこの調査結果概要については、過年度も含めて全て読みました。年度ごとに質の違いは多少あるものの、令和3年度、4年度については平均点を上回っていましたが、その中にも課題点を見いだして、さらなる質の向上に努めたいという意思を感じさせてくれる内容になっていると思います。
 しかし、残念ながら、令和5年度は良好なところしか示されていません。確かに、良好な結果が出ている項目については、取り組んできた指導内容がよかったことを示しているわけですから、この調子で伸ばしていけばいいのは分かります。ただ、さきにも述べたとおり、課題点は必ずあるはずです。現場でも様々に考えて取り組んでいることと思います。課題点の克服のために取り組んでいることを教えてください。
 3点目、令和5年度の公開されている問題、私も解きました。さすがよく考えられている良問ぞろいだと感じました。解説資料を読むと、さらにその学力調査の質のよさを感じられます。
 この学力調査ですが、石川県、秋田県、福井県がトップ3の常連であります。石川県では、この学力調査のための事前対策として、過去問をがんがん解かせて、学力調査の順位をキープするための対策授業が過度に行われていることが問題となったぐらいです。確かに、過度な対策授業は、本来の学力調査の趣旨を逸脱しています。順位を取ることや点数を上げることが目的ではありません。石川県もそうした過度な対策授業を実施しないよう、知事も苦言を呈しておりました。
 ただ、一方で、過去問に全く触れないというのももったいないように感じます。これだけの良問ぞろいですから、過去問を事前に活用することは、児童・生徒の学びにとっても、教職員にとっても力になるのではないでしょうか。点数を上げることを目的に、何度も何度も実施して、授業でも対策授業ばかりやっていては意味がありませんが、1回か2回ほど過去問に触れて実力や課題点を抽出することは、意義があるようにも感じます。各学校に任せていることとも思いますが、伊予市は現在、過去問を活用した取組などは行っているのでしょうか。
 以上、3点よろしくお願いいたします。
◎教育委員会事務局長(窪田春樹 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 窪田教育委員会事務局長
◎教育委員会事務局長(窪田春樹 君) 失礼します。
 田中慎之介議員から、全国学力調査の結果について3点の御質問をいただきましたので、私から答弁申し上げます。
 まず、1点目の令和5年度の結果をどのように分析しているかでございますが、昨年4月に行われた全国学力・学習状況調査は、小学6年生を対象に国語と算数、中学3年生を対象に国語と数学と英語が実施されました。その結果については、田中議員御承知のとおり、小学校が県や全国の平均を上回ったものの、中学校の国語以外は、県や全国の平均を下回る結果となりました。
 今年度の本市全体の課題については、小学校では、国語の書くことと算数の図形、変化と関係の項目が全国平均を下回り、基礎的な知識及び技能の定着に課題が見られると分析しております。
 また、中学校では、国語と英語の書くことと数学の数と式、図形の項目が全国平均を大きく下回り、小学校と同じく基礎的な知識及び技能の定着に課題が見られました。
 近年、平均正答率は、各教科とも県や全国と比較しても大きな開きは見られませんが、中学校においては、全体として低下傾向にあり、数学と英語では、平均点付近で緩やかに2つの山ができている状況が見られました。しかしながら、中央値と平均値のばらつきは小さく、標準偏差については、全国や県と比べてほぼ同様あるいは少し小さい結果となっております。
 次に、2点目の課題克服のために取り組んでいることにつきましては、前述の基礎的な知識と技能の定着という課題を踏まえまして、各校で配置している学力向上推進主任や教頭が中心となり、具体的な考察及び対応策を検討協議する学力調査委員会、学校評価調査委員会を開催し、それを受けて学校関係者、有識者から成る伊予市立学校の教育力向上推進委員会を開催し、学力向上のための課題を克服する方向性を取りまとめています。その中で、全体的な学力向上の底上げを図るには、子どもの学びの姿に着目し、より質の高い授業改善を追求していくことが必要と考え、全国学力調査の調査項目の一つである授業の内容が分かるという質問に対する肯定的な思いを80%以上にすることを目標とし、各校の実態に応じた授業実践の改善を依頼しているところです。
 具体策として、現在、各校では、自分の考えを条件に合わせて書いたり、図表やグラフなどを用いて書いたりする力を身につけるために、全ての学年で書く活動を積極的に取り入れる、学習記録を記した資料を蓄積し、毎時間の授業の学習内容や学習前後の自己変化を意識的に捉えられるようにする、振り返り学習の徹底によって、学習の調整力を養い、主体的な言葉の学びへとつなげるなど、前述の課題を含めた解決に向けて具体的な取組を進めております。年度内には、各校の取組で特に成果の見られたものを好事例として共有したり、児童・生徒を対象に授業の内容が分かる項目についてアンケートを実施し、結果を学校へ情報提供したりすることで、各校の取組内容と併せてその成果を検証することにしています。
 このように、今年度は、本市の課題を踏まえた上で、各校で課題を焦点化し、具体的な取組につなげているところでございます。今回、調査結果の概要について貴重な御意見をいただきましたので、今後公表内容について改善を図ってまいります。
 最後に、3点目の過去問を活用した取組についてでございますが、活用の程度は各校の判断によりますが、全ての学校で授業の中や家庭学習など柔軟に活用しているようでございます。ふだんは解いたことがない形式の問題を事前に解かせることで、戸惑いを軽減する効果も期待しているところです。
 なお、全国学力・学習状況調査は、田中議員の申されますとおり、学習指導要領に基づく今求められる学力が問題として出題されているため、各設問の正答率や誤答の状況から課題を把握し、個々の児童・生徒への教育指導や学習状況の改善、充実、学習意欲の向上等に役立てることができるものです。ただ単に全国学力・学習状況調査等の数値やデータに一喜一憂することなく、今後各校がこれらのデータを基に自校の課題を明確化し、日常の教育活動の改善を図るといった調査の目的を達成できるよう、適切に活用してまいりたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
○議長(北橋豊作 君) 再質問ありませんか。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) 答弁ありがとうございます。思いが共有できてよかったです。
 再質問は特にありませんが、最後一言だけ言っておきます。
 今回、私も解きましたけど、平均点下回ってて、英語の平均点がたしか四十何点ぐらいです、100点満点で。そんなん大丈夫なんかというふうに思われるかもしれませんが、私たちや皆さんが受けてきたものの中学3年生の英語の問題と今回のこのテストは、圧倒的にこのテストは難しいと思います。ちなみに、私もできなかった問題はあります。私英語の先生ですけど、話すという項目で、今回の話す問題は何かというと、1人の男の子がプラスチックバック、いわゆるレジ袋ですね、これをお店で日本はもらうのをやめたらいいんじゃないかということについて意見を述べたものがありました。その彼の意見を聞いて、1分間考える時間があります。その後、30秒でマイクにあなたの考えを英語で述べるという問題です。日本語で述べるのも難しいです。けど、英語で述べなさいというような問題です。こういった問題がいわゆる今の英語の4技能の新しい話すという項目の中にできてて、私の時代にはなかったような問題で、非常に難しくて、多分私も一応言いましたけど、多分点数になってないんだろうなというのをすごく感じました。平均点が低い一方で、こういった問題もさらっと解く中学生がいるという時代でもあろうかと思います。もちろん、点数で一喜一憂するわけではないですが、まだ伊予市の課題としては、今回学力の二極化が起こっているわけではなくて、非常に緩やかだと。全体的に低いということですね、ずっとですね、ということになりますが、非常に難しい課題にチャレンジしているとはいえ、やはりそうした新しい学力の中にしっかりと順応をしてついていっている。子どもたちの将来につながるような形になってもらえればいいかなというふうに思います。
 参考資料として、もう一つ私の資料では、秋田県の参考資料のやつで分析を入れております。秋田県も当然過去問とかやってがんがんやっているんじゃないかというふうに私も思ったんですが、こういった分析資料を見てると、すごく感じたのは、トップ3にあって、全部平均点以上ですよ。でも、その中に課題点がどこにあって、こうやって変えていかないといけないなという課題点を見つけてまたそれを現場に投げかけていく、まさに変わり続けるからこそ、トップであり続けるんだなということを強く感じさせるような分析内容だなというふうに思いました。やっぱり全国で標準的な学力をつけるというときには、平均的なものではなくて、上のいい事例を実にまねして、そしてつなげていってもらったらなというふうに思います。
 間もなく4月に次の学力調査がありますので、そちらのほうの結果も期待しながら、私も学習塾という立場でありますが、伊予市の教育に少しでも尽力できればと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございます。
○議長(北橋豊作 君) これをもって本日予定しておりました一般質問を終結いたします。
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