録画中継

令和5年第3回(6月)伊予市議会定例会
6月22日(木) 一般質問
無所属
田中 慎之介 議員
1. 市民の「時間」の負担を軽減するための提案
2. 小学校低学年で使用する算数セットの公費負担を求める
3. 伊予市の未来のために特に若手職員が成長するための取組を
△日程第2 一般質問
○議長(北橋豊作 君) 日程第2、これから一般質問を行います。
 発言の通告がありますので、順次質問を許可いたします。
 なお、発言残時間及び発言回数をモニターに表示しますので、御確認願いたいと思います。
 田中慎之介議員、御登壇願います。
            〔1番 田中慎之介君 登壇〕
◆1番(田中慎之介 君) 議席番号1番、みらい伊予田中慎之介です。
 議長の許可を得ましたので、一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
 それでは、1点目の質問です。
 私が生まれた1980年から共働き世帯が増加を始めました。2000年頃には、その数が専業主婦世帯の数を超え、今も増加を続けています。現在では、共働き世帯の割合が7割近くにまで上がっています。近年、各自治体は、書かない・待たない・行かない市役所、これを目指し、種々の改革を始めており、伊予市もその例外ではないと認識しています。フルタイムで働いている世帯にとって、平日の9時から17時に市役所を訪れるということは、決して簡単なことではありません。そういう社会情勢を受け、行政もできる限りそれに寄り添っていくことが求められているのではないでしょうか。
 また、それらは、システム構築に限らず、様々な場で書かない・行かない市役所へ向けての取組は可能であると考え、今回は3点の質問をさせていただきます。
 市民が足を運ぶ時間を減らすこと、市民が書類を書く時間を減らすこと、今や社会の主流となった共働き世帯の仕事以外の時間を確保する。そして、伊予市というのは、ええ町やなあと皆さんに言っていただきたい、その観点からの質問をいたします。
 1つ目、松山市が2023年4月より、公立園で紙おむつのサブスクを始めました。これまで保護者が紙おむつ一枚一枚に子どもの名前を書いて、毎日五、六枚を持参しなければならず、子育てと仕事で忙しい保護者の大きな負担でした。
 また、保育士にとっても、紙おむつに名前を書いて持ってきてもらうことで、園児ごとに個別管理しなければならなくなり、業務の負担になっていました。サブスクを導入することで、保育園に直接紙おむつが届くため、保護者は、名前を書く手間や持参する手間がなくなり、保育士側も紙おむつの個別管理がなくなるため、業務軽減となり、その分子どもと向き合う時間を増やすことができると期待されています。伊予市も導入を検討してもいいと思いますが、どうでしょうか。
 2つ目、小学校で提出させている家庭調査票の中にある学校から自宅までの手描きの地図、これはもうその役割を終えていると考えます。カーナビもグーグルマップもあるこの時代に、手描きの地図の必要性を見いだせません。学校の先生が家庭訪問をする際にも、これだけ個人情報の管理が厳格化されている現代において、家庭調査票という個人情報の塊を持ち歩くことはできないはずです。そして、一番大切なことですが、この手描きの地図さえなくなれば、家庭調査票も保護者のスマホから提出することが容易になると思います。子どもたちが学校から持ち帰ってきて、保護者たちはそれを書いて、ランドセルにまた入れて、子どもたちが学校まで持っていくこの個人情報、オンライン化のほうが、個人情報保護の観点からもいいと思います。子どもを寝かしつけてから夜に、その手描き地図を描く保護者負担は減らせないでしょうか。
 3つ目、職場の健康保険等を脱退して、国民健康保険に加入する際の持参物について、伊予市は、資格喪失証明書を必要としていますが、扶養家族がおらず、本人一人のみの国民健康保険加入というのであれば、離職票のみで手続を可能にしてもらいたいです。職場を辞めた際に、会社は資格喪失証明書を渡す義務はありません。ですから、辞めた会社に対して、その書類を求めていかなくてはならないのですが、辞めた会社には言いにくいなという心理的負担が大きいと聞きます。私も会社を退職して議員になりましたが、辞める際には、それなりに御迷惑をかけるというやはり負い目もあって、できるだけ手間を会社にかけさせないようにと配慮してきた。ですから、そういう気持ちも理解できます。となれば、松山にある年金事務所まで資格喪失証明書を取りに行かなくてはなりません。伊予市から車でおよそ30分、JRで行くと電車でおよそ22分、そこから歩いておよそ15分です。グーグルマップで調べたところです。遠い。こうしたことから、離職票に書かれてある日付でもって、社会保険の資格喪失をしていると判断をして、国民健康保険の加入手続に入っている自治体もあります。市民の利便性を考えれば、私もそのほうがいいと思います。
 また、資格喪失証明書で得られる情報は、マイナンバーカードに保険証をひもづけている人であれば、スマホの画面を見せるだけで事足りる情報です。本日資料のほうにも添付をしてますが、このスマホの画面に出される情報で、資格喪失証明書の中に入っている①から⑥の情報は全て得られるはずです。扶養家族がおらず、本人一人のみの健康保険加入の際に、松山までの往復を防ぐ手段というのは、あるのではないでしょうか。市民の方々の時間を視点に置き、離職票のみでの手続を前向きに検討してもらいたい、もしくは、マイナンバーカードを活用して、私の資料の画面確認でもって資格喪失を確認することも可能ではないかと考えます。
 以上、3点よろしくお願いいたします。
◎市民福祉部長(空岡直裕 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 空岡市民福祉部長
◎市民福祉部長(空岡直裕 君) 失礼いたします。
 市民の時間の負担を軽減するための提案として3点の御質問をいただきましたので、私から1点目と3点目について答弁申し上げます。
 まず、1点目につきまして、本市の公立保育所や認定こども園では、主に2歳児以下の子どもに対し、1人当たり1日平均約4枚の紙おむつを使用しておりますが、議員御提案のとおり、紙おむつのサブスクには、保護者において数の確認や不足への対応が不要になることに加え、管理において不足時の連絡や使用時の名前確認が不要になることなど、軽減が期待されます。
 しかしながら、紙おむつの種類が限定されることや個別のおむつ使用量を把握できないこと、安売り店舗やネット販売などに比べ購入単価が上がり、保護者負担が増加すること、利用量に差異があり、保護者負担に不均衡が生じること、利用しない子どもに対して新たな管理負担が生じることなど、デメリットが懸念されますので、まずは保護者や保育士などの意向を聴取し、導入の必要性について検討してまいりたいと考えております。
 次に、3点目につきまして、現在国民健康保険の加入手続の際に、健康保険の資格喪失証明書の提出を依頼しておりますが、この証明書により、健康保険の資格喪失日を確認することで、正しく国民健康保険に適用させることが可能となり、健康保険間の重複加入や無保険期間を防止することができております。
 議員御提案の雇用保険に係る離職票の活用につきまして、雇用保険と健康保険は、加入できる条件が異なることから、原則として資格喪失証明書の提出を求めておりますが、今後は離職票を持参された被保険者一人のみの手続で、かつ本市から、事業所への資格喪失日の確認が電話などで行える場合は、係る手続を進められるよう、事務手順を見直したいと考えております。
 なお、マイナンバー活用につきまして、本市が各機関から事務手続に必要な情報を取得する方法には情報連携がありますが、保険者が資格喪失の情報を登録する時期によっては、最新の情報を取得できないことが懸念されます。議員御提案の趣旨は、十分に理解しておりますが、技術的な課題を含め、さらに調査研究をさせていただきたいと存じております。
 以上、答弁といたします。
◎教育委員会事務局長(窪田春樹 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 窪田教育委員会事務局長
◎教育委員会事務局長(窪田春樹 君) 失礼いたします。
 2点目の小学校へ提出する家庭調査票の手描き地図の廃止について私から答弁申し上げます。
 まず初めに、この家庭調査票は、学級担任が児童・生徒の取り巻く環境をよく理解した上で、生活指導や災害対応時に適切な判断を行うために作成するものです。議員御指摘のとおり、個人情報を含む重要な書類である反面、その必要性については、十分御理解いただいているものと存じます。近年は、新型コロナウイルス感染症の流行を考慮して、控えておりました家庭訪問について、現場の教職員に確認いたしますと、カーナビやインターネット地図の検索精度が上がっていることは承知しておりますが、住所地番での検索は、やはり正確な住居が示されず、迷ってしまう場合があり、効率的に訪問をこなすには、この調査票の地図が非常に有用とのことでした。こうしたことからも、調査票の地図の必要性については、どうか御理解をいただきたいと考えます。
 その一方で、今年度企画政策課が中心となって、アンケートや情報照会など、市民が行う手続の一部を電子化できるツールが導入されたことから、教育委員会としましても、今後地図データの添付も含めた家庭調査票のオンライン提出の可能性を探ってまいりたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
○議長(北橋豊作 君) 再質問ありませんか。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) ありがとうございます。
 何点か再質問させていただきます。
 1点目の紙おむつのサブスクについての懸念事項というものを何点か述べていただきましたが、もちろん導入した自治体も含めて皆さん考え得る内容であるんじゃないかなとこういうふうにも感じました。ほんで、この意向の聴取ということで、例えば松山市さんも先日の3月議会の中で話の内容を私が聞く限り、やはり利用する人としない人が混在すると、保育士が混乱するんじゃないかとか、かえって負担が増加するのじゃないかという懸念もあったけども、導入済みの園に聞いたら、すぐに慣れて、個人別の管理よりも負担が少ないということなので、松山市さんは導入に踏み切ったんです。
 また、アンケートも実施して、おおむね半分の保護者がサービスを利用したいと回答をしたんだけども、事前アンケートよりも実際にやると増加する傾向もあるというふうに伺ったのでやり始めた。伊予市もここから検討をすると思うんですが、例えばほかの自治体さんによっては、実験的にある園でやってみて、その結果、よかったら実施するというような実験的な導入も実際やってみてから検討するというのもあったんですが、そのあたりもお考えがあるかどうかというのを質問いたします。
 もう一点、手描きの地図に関してなんですが、もちろんあるんかないんかで言えば、あったほうがいいんだと思うんです。この中でもちろんカーナビやインターネットでは出てこないであろう、細かいところもあったほうがいいということで求めるというのも分かるんですが、これは任意にすらできないもんなのかどうかをお伺いしたいと思います。
 健康保険のほうに関しては、もちろん同じ理由で、やっぱりあったほうがより確実だということは分かる一方で、どれだけ利便性というものを追求していくかだと思うのですが、こっからぜひ前向きに検討をしていただいて、ただ、すぐできることとして、例えば、もしできないにしても、ほかの自治体さんでは、できるところもやっぱりあるわけじゃないですか。伊予市の場合、例えば南予のほうから転入してくる方も多いと。前のところでは、離職票だけでできたんだけど、こっちに転入したらできませんよっていうことにもなりかねないので、せめて移行するまでの間に、例えばそれが必要ですよということに加えて、離職票だけはできないんですというのも一個明記があってもより分かりやすいのではないかなというふうに思うんですが、その点お伺いいたします。
 以上、3点お願いします。
◎子育て支援課長(太森真喜恵 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 太森子育て支援課長
◎子育て支援課長(太森真喜恵 君) 田中議員さんからの1点目の質問である紙おむつのサブスクの実験導入の可能性について私のほうから答弁させていただきます。
 サブスクのほうの導入に関しましては、公立保育所長会と言いまして、公立保育所や認定こども園の施設長会も毎月行っておりますので、その中で保護者への導入についてのアンケート等について検討してまいりたいと思います。
 また、保育所のほうの保育士さんの御意見等も伺いながら、進めてまいりたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
◎教育委員会事務局学校教育課長(谷仲寿夫 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 谷仲教育委員会事務局学校教育課長
◎教育委員会事務局学校教育課長(谷仲寿夫 君) 私のほうからは、田中議員様の地図の添付の任意にできないかという点について回答させていただきたいと思います。
 議員御指摘のとおり、自治体によっては、地図の添付を義務づけてない自治体も確認をしておりますので、こちらのほうは、オンラインの手続の可能性を探るときに、併せて検討課題とさせていただけたらと思います。
 以上、答弁とさせていただきます。
◎市民課長(高橋洋司 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 高橋市民課長
◎市民課長(高橋洋司 君) 私より3点目の再質問にお答えいたします。
 伊予市においては、現在離職票のみでの受付は、確かにいたしておりません。部長答弁にもありましたとおり、事務の見直しというものを検討しておりますので、その間ですけども、例えばホームページ等で、離職票での手続が不可であるような理由を記述して、分かりやすくしたいというふうに思いますので、御理解いただいたらと思います。
 以上です。
○議長(北橋豊作 君) 再々質問ありますか。
            〔1番田中慎之介議員「ありません」と呼ぶ〕
○議長(北橋豊作 君) 2問目に移ってください。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) それでは、2点目の質問に参ります。
 ママさんたちの情報サイトというのが結構あるんですけども、そこには、入学前の名前書きが大変だ。早めの準備をしましょうというような内容の記事が結構多いんです。これは、伊予市に限らず、全国共通のママさんたちの悩みになってます。ちなみにパパが手伝っても大変です。特に算数セット、これは算数の授業で使用するまでに名前書きをしなければならず、多くの保護者が夜中までかかって名前を書いています。ピンセットと爪ようじを使って名前シールを貼るんです。本日は実物をお持ちしましたので、ぜひ市長も皆さんも、これうちの子ので、ぜひ中身を見ていただいたらと思います。この名前書きなんですが、併せて名前書き作業は、算数セットに限ったものではありません。学校に持っていく全ての物、鉛筆、消しゴムの一つ一つ、クレヨンもクーピーも1本ずつ、靴下の一足一足にまで名前を書く必要があるということをお知りおきください。
 この算数セットですが、この中には様々な道具がありますが、こうした例えばおはじきです。このおはじきもこの中のおはじき一つ一つにまで名前を書いていく必要があります。数え棒、こんだけある数え棒も、一本一本に名前を書いていきます。なぜか。これが個人のものだからです。算数セットは、その使用頻度と比して、名前書きという時間的負担と体力的負担があまりにも大き過ぎるのではないでしょうか。しかもふだんは学校に置きっ放しにしている算数セットですが、個人のものですから、学期末には持ち帰らなきゃいけません。これが子どもたちの下校時によくある大荷物になってくるわけです。
 さらに、4年生になったらもう使わないので、こうやって各家庭に戻ってくるわけです。うちの子も4年生になったので戻ってきました。遅かれ早かれごみとなります。SDGsの観点からも、子どもたちの通学時の荷物軽減からも、保護者の時間的・体力的負担からも、もちろん経済的負担からも公費で負担することが望ましいと考えます。公費負担にしたからとしても、全員の分を購入する必要がないので、費用も大してかかりません。1年生から3年生まで、全ての学年とクラスで同時に算数の授業があり、しかもその全てで算数セットを使用するという確率は、恐ろしく低い。金環日食を再び見るくらい低いです。郡中小学校でも、3クラスから4クラス分の算数セットを学校が備品として備えておけば、十分に事足りるのではないでしょうか。御覧のようにおはじき、二、三年で使い物にならなくなるとは、考えにくいものです。毎年毎年多額の予算計上も要らず、必要ないというふうに考えます。初年度についても、新4年生となる学年やまだ自宅で保管をしている家庭などからの寄附で十分賄えるのではないかと考えます。何ならSDGsの観点からこの算数セットを寄附したら、エコバッグと交換してもいいですし、あるいは子どもたちの学用品と交換してもいい。そしたら喜んで寄附をしてくれるのではないでしょうか。
 教育的な観点から、私は、計算カードについてはやはり毎日取り組む必要がありますし、そしてこれは、毎日持ち帰るものでもありますから、個人負担すべきだと考えます。ですから、百歩譲って、計算カードの名前書きはやってもいいと思ってます。ただ計算カードも、一枚一枚名前を書くんですよ、これ。この束の表紙に名前を書くんではなくて、一枚一枚名前を書くのはどうかなというふうには思いますが、名前書きはやってもいいと思ってます。
 しかし、少なくとも計算セットの中に入っている全てのもの、これを個人のものにする必要は、果たしてあるんでしょうか。他の自治体では、その中身を精査して、計算カードとこの時計とそれからブロック、これを個人負担としている。ブロックでいわゆるおはじきの代用ができるでしょうということです。これを個人負担として、その他は学校備品としたところもあるようです。算数セット、個人負担で毎年の新1年生が全員購入して、個人のものであるからという理由でその一つ一つにまで名前を書く、これを当たり前にしてはいけないと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
◎教育委員会事務局長(窪田春樹 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 窪田教育委員会事務局長
◎教育委員会事務局長(窪田春樹 君) 失礼いたします。
 小学校低学年で使用する算数セットの公費負担を求めるの御質問について私から答弁申し上げます。
 算数セットは、小学校の低学年の学習において、数や計算に関する概念を視覚的に理解しやすくする教材で、おはじき、積み木、いろいた、数え棒、時計、計算カードなどがあり、現在は入学時に各御家庭で御準備いただくことになっております。
 公費負担をとの御質問につきましては、基本的に当該セットは、計算カードに限らず、児童個人が使用していることから、個人負担すべきと考えておりますし、仮に当該セットを共用管理とした場合、保管場所の確保に始まり、授業の重複管理・授業前後での過不足確認及び消毒といった、継続的な管理が発生することから、現場への負担が生じることも予想されます。議員御指摘のとおり、名前書きの作業を負担に感じる保護者もおいでになりますが、小学校に入学する喜びを実感でき、入学準備として子どもと一緒に楽しんでいる方や、名前書きの苦労をよき思い出として持たれている保護者もおられると聞いており、保護者の思いは、一様ではないと理解しているところです。こうしたことからも、現時点では、引き続き各御家庭で御準備いただくべきものと認識しておりますが、他方では、公費負担や一部のみ自己負担としている自治体もあるなど、市町により算数セットの取扱いが異なっていることもまた事実でございますので、今後調査研究を行ってまいりたいと考えます。
 以上、答弁といたします。
○議長(北橋豊作 君) 再質問ありますか。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) なかなか面白い答弁です。1点目、まず聞きます。
 小学校に入学する喜びを実感できるとか、名前書きの苦労をよき思い出として持たれてるとか、一時期問題になったブラック企業のやりがい搾取と同じような理由が並ぶような気がするんですが、果たして本当にそれで実感するものですか。それをそう考えて保護者も喜んでやっているという前提での名前書きをお願いすることは、果たしてどうなのかと思うんですが、そのあたり教育委員会はどう考えているのかなというのが1点。
 それから、個人が使用しているから個人負担すべきでしょうということでしょうが、別に私、ここで教育長と憲法26条について語る気はあまりないんですが、個人が使うといっても、遊びで使うものでも何でもなく、義務教育で勉強をする上で使う教材です。これは、あくまでまだ文科省は、義務教育は無償とすると言いながらも、なかなかできてない現状があって、もともとは義務教育を無償とするとはいっても、授業料すら無償に出来なかった歴史があって、戦後授業料は無償になって、そしてようやく教科書も無償配布するようになってということで、まだまだ道半ばのはずであるんだけれども、個人が使用しているから、私、個人負担すべきだというふうに答弁をしたように聞こえたんですが、個人負担をお願いするわけではなくて、個人負担すべきなんですか。子どもたちが義務教育を受ける、例えばその受益者は誰なんですか。その観点から、何か私は個人負担すべきというふうに答弁が聞こえたのは、何か原稿の読み間違えじゃないかと思ったんですが、その点もう一回お聞きしたいなと思います。
 3つ目、保管場所の確保とか授業の重複管理、私は先ほど授業の重複はほぼないでしょうというふうに言いましたが、授業の重複管理や授業前後での過不足も、それはあるかもしれません。おはじきで計算するのに、私は、繰り上がりがあれば分かると思うんですが、20個のおはじき、30個以上あるおはじきの1個、2個なくなることもそりゃあるかもしれませんけども、それがそんなに授業に影響を及ぼすとも私は思えないんですが、さらに言うと、消毒といった継続的な管理が発生すると。確かに皆さんで共用で使えば、みんなの手で使うから、汚れるでしょうという観点からの答弁だと思いますが、じゃあ体育で使うバスケットボールやバレーボールはきれいなんですか。何でおはじきだけそんなに汚いものだという前提で話をされるのかが分からないんですが、そこが本当に個人負担に至る理由になってるのかどうか、その辺を3点お聞きしたいと思います。
○議長(北橋豊作 君) 3点ですね。
 暫時休憩します。
            午前10時29分 休憩
       ───────────────────────
            午前10時30分 再開
○議長(北橋豊作 君) 再開いたします。
◎教育委員会事務局学校教育課長(谷仲寿夫 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 谷仲教育委員会事務局学校教育課長
◎教育委員会事務局学校教育課長(谷仲寿夫 君) 田中議員様から3点の再質問をいただきましたので、私のほうから回答をいたしたいと思います。
 まず、1点目の保護者の思い、本当にその苦労について、子どもたちと一緒に楽しんでるとかよき思い出としているのかという点、実感しているのかどうかという御質問なんですけども、こちらのほうは、実際に今回アンケートを取ったわけでもございませんので、実際正直なところ、私の近しい経験のある方の意見を聞いたところでございますけれども、基本的にいろいろな意見があるというのは、確かなところでございます。ただ、恐らく実際皆様の意見を取ると、圧倒的多数で負担があるというところは、正直にあると思いますので、今後そういった点、検討課題としていきたいとは思います。
 ただその一方で、実際私、この名前書きに教育的価値があるのかどうかというところにつきましては、皆さんにお話を聞いたところ、ほぼ100%の方が、この名前書きのことが印象に残っていると。確かにつらい思い出、しんどかった思い出という意見はあるんですけれども、ほぼ100%の方が覚えているということがありますので、確かにつらい思い出ではあるんですけれども、全ての方の記憶に残るこのイベントというのが、教育的価値があるのかないのかという点につきましては、ちょっと言及は避けたいとは思います。すみません。
 2点目の無償化、私どもの答弁のほうで、個人負担すべきと考えておりますという答弁につきましては、議員御指摘のとおり、本来個人負担をお願いすべきという点でありましたところに訂正をさせていただきたいと思います。すみませんでした。
 3点目の保管位置や消毒についてなんですけれども、こちらのほうは、昨今の教師の業務の負担軽減というところもありまして答弁の中に入れさせていただいた点がございますけれども、御指摘のとおり、実際どれほどの負担になるかという点も併せまして、今後併せて検討課題とさせていただいたらと思います。
 以上、答弁させていただいたらと思います。
○議長(北橋豊作 君) 再々質問ありますか。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) これ以上言うのもあれなので、ぜひ検討をいただきたいと思うんですが、名前書き作業、別に算数セットだけじゃなくて、あと50個ぐらいありますので、種類としては。鉛筆から何からほかにもありますので、これの名前書き作業がなくなったところで、名前書きの思い出は十分残ると思いますので、ぜひ時間的な負担等にも考慮いただいて、検討いただければと思います。
 以上です。
○議長(北橋豊作 君) それでは、3問目に行ってください。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) 3点目の質問に入ります。
 昨年度、私は総務委員会の視察で大分県の中津市を訪れました。中津市から学んだことは多く、その詳細は総務委員会の視察報告書に記載しているとおりであります。私が一番魅力を感じたのが、Nakatsu DX Awardです。若手職員たちが中心となり、職員自らデジタル技術を活用し、市民サービス向上や業務効率化を果たした取組を表彰するというプログラムを実施していました。まずやってみて、改良する。DXの推進ということとITの経費が増えるということはイコールではないよね。誰一人取り残さないということとできない人がいるからしないということはイコールではないですね。ほかの行政の感覚とは違うとても前向きな姿勢に驚きました。犬の新規登録申請や予防接種済み票の交付申請などのオンライン化、手数料の支払いもオンライン上で完結できるようにしています。これも若手職員のアイデアです。ほかにもこれまで紙媒体の地図で確認をしていた水道管の情報、これをデジタルマップにして利便性を高めたり、災害時における被災箇所報告をスマホで報告できるようなシステムづくりに着手したり、様々なアイデアが出されていました。視察の際に、私質問しました。新しいことにチャレンジするとき、多くは現状維持のバイアスというものがかかります。その最たる例が、私は行政だと思ってました。でも今日視察をさせてもらって思ったのは、中津市はチャレンジ精神にあふれてます。こうした意識の醸成は、今の市長になってから発揮されてきたものなんですか、そう聞くと、総務課長からは、少なくとも私が入庁した頃から若手のチャレンジに対しては寛容なところがありました。今の市長というよりは、中津市役所にはもともとそういう風土があったのかもしれませんという答えもありました。帰りのエレベーターの中では、別の職員からも、いや、うちの市役所は、20代や30代の意見やアイデアはよく通るんですというような声も聞きました。2050年頃にここに座っているのは、きっと今の20代の職員たちなんでしょう。その頃の伊予市が、果たしてどれほどの人口規模なのか、あるいはどれほど科学技術が発達しているか分かりませんが、課題のない自治体というのはありません。ですから、きっとそのときももっと知恵を出し合って、変革や挑戦を続けていかなくてはいけないはずです。それらを考えたとき、今皆さんのあとに、そこに座っている職員たちは、そうしたチャレンジングスピリットを持った職員であってほしいと思いませんか。
 そこで私は、「伊予市Improvement Award」を提案いたします。Improvementは、改善という意味ですが、タイトルにこだわりは全くありませんので、市のほうでおしゃれなネーミングがあったら、ぜひそちらを採用してください。若手職員たちもきっと皆さんと同じように、伊予市の人たちのために貢献したいという思いを持って入庁してきたはずです。その職員たちが、ここを改善すれば、市民の方たちに喜んでもらえるのではないかと考え、そして行動できる、そういった機会をつくってあげてほしい。そして、そうしたチャレンジをみんなで承認してあげられる機会をつくってほしい。私は、以前の一般質問で、ハーズバーグの二要因理論について少し話をしました。仕事における満足と不満足につながる要因というものは、全く別の原因だという話です。今回の提案は、そうした若手職員たちの仕事の満足要因を高めるための一つの手段になり得ると思います。よろしく御回答ください。
◎副市長(青野昌司 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 青野副市長
◎副市長(青野昌司 君) 田中慎之介議員から、若手職員が成長するための取組に関する御質問をいただきましたので、私から答弁申し上げます。
 本市では、伊予市人材育成基本方針に目指すべき職員像を掲げ、職員の育成に取り組んでおります。議員御指摘のチャレンジ精神も目指すべき職員像の一つとして捉えており、種々様々な研修や外部機関への職員派遣をはじめ、事務の効率化や市民サービスの向上を図る目的で、職員自らがアイデアを提案できる職員提案制度を実施しており、優秀な提案には市長表彰を行うなど、職員の政策形成能力の向上にも努めております。これら従来の取組に加え、昨年度新設した企画振興部においては、若手職員が活躍する組織風土の定着及び政策立案能力の向上を目的とした組織横断型の研究チームの立ち上げを進めており、これまで本市の情報発信の在り方や実施手法等について検討する「魅力発信プロジェクト」、職場環境の改善、デジタル技術の活用といった視点から調査研究を進める「SDGs推進プロジェクト」及び「デジタル化推進プロジェクト」、庁内約8割の職員から提案を得た人口減少対策に係るレポートの分析・検証のほか、3万人が住み続けられる伊予市の実現を目指す「人口減少対策プロジェクト」等を設置し、適宜市長等と専門知識を有する外部のオブザーバー等に報告・提案を行っているところであります。こうした中から、テーマを絞ったフォトコンテストの開催、オフィスカジュアルや集中スペースの導入、年次有給休暇の計画取得等は、既に実行もしくは実証実験の段階に入っており、これら若手職員の新たな発想が具現化することで業務の効率化等とともに、チャレンジ精神の醸成及び満足度の向上が図られているものと考えています。
 さらに、昨年度一般財団法人地域活性化センターと、地方創生に向けた人材育成に関する連携協定を締結し、若手職員を中心として地域活性化センターが主催する各種講座をオンラインで受講し、地域の価値創造・課題解決のノウハウを学んでいるところであります。
 また、地域づくりに見識の深い地域力創造アドバイザーが、月2回本庁舎で勤務し、若手職員との意見交換のほか、組織横断的な風通しのよい職場環境の構築や連携手法など、外部目線で助言をいただいているところであります。
 本年度は、市民を対象とした「ますます、いよし。人財育成セミナー」を開催しておりますが、このセミナーに自ら主体的に参加する職員がおります。セミナーの様々なテーマでの学びから新たな気づきもあり、特に市民と直接意見交換や交流することで、地域の課題やニーズを正確に把握することができるなど、市民目線で行政運営をすることができる職員育成の場としても期待するものです。
 このたびの御提案である伊予市の未来のための若手職員の育成については、以上のような取組をブラッシュアップし、今後も職員一人一人が行政改革についてチャレンジ意識を持って積極的に取り組むことができる風土づくりを醸成するとともに、さらによりよい仕組みとなるよう、先例事例を参考に調査研究の上、適宜見直していきたいと存じます。
 以上、答弁といたします。
○議長(北橋豊作 君) 再質問ありますか。
◆1番(田中慎之介 君) 議長
○議長(北橋豊作 君) 田中慎之介議員
◆1番(田中慎之介 君) 先進事例を参考に調査研究していただくということですので、とにかく今副市長の答弁の中で、伊予市もこういう若手職員のチャレンジについてどんどんやってますよというような種々の報告をいただきました。今後調査研究の上、ぜひお願いをしたいのは、やはりそうした市の中で、例えばこういうチャレンジをして取り組んでいったときに、こんなことを考えてやりましたよっていうのを、やはり本来は市の中だけで完結をして、例えば上司であったりだとかが承認をしてというよりも、ぜひ市民の方々にもこういったチャレンジを伊予市の職員でやってますよということを知らせていくっていうことって、すごく僕は大事だと思ってます。なぜかというと、市の中ではチャレンジするということって大切だというのは、皆さん十分理解をしているけれども、意外と市民の方々、外の人たちは、公務員の方々がチャレンジをして失敗をすると、いろんなところでたたかれるんではないかとか、何ならもうすぐ新聞に載っちゃうぞみたいなというのがあって、チャレンジがしづらい素養があるかもしれないんですが、やはり伊予市から、そういったチャレンジを若手にさせてますよということを市民の方にも知っといてもらう。そして、それはやっぱり市民の方々も理解をして、いや若手の職員たちはどんどんチャレンジしてみたらいいやないかと、やはり市民たちもそういうチャレンジの姿勢に対して寛容的になっていくことで、風土というのは出来上がってくるんだろうと思いますし、若手の職員たちも失敗を恐れずチャレンジに向かえるんじゃないかなと。それが、結果的に伊予市の未来につながっていくんだろうと思いますので、そうした意味でそういったチャレンジ、こんなことをやってますよというのを、ぜひ市民と一緒に考えていく。例えば中津市のDX Awardは、投票制で、市の職員だけが投票するんじゃないんです。市民の方でも投票できるんで、私が行ったときに、どうぞ田中さんも投票してくださいと言われたんで、私もいろんなチャレンジ12項目ぐらいある中で、何個か選んだんです。私個人的にやっぱり議員だからですか、選挙のポスターの設置場所、あれも紙をやめて、全部地図アプリに入力されているっていうのがあって、これめちゃめちゃ便利やなと思って、伊予市でもやってほしいなというふうには思ったりもしました。そういうふうにして、何か皆さんがこういうチャレンジをしてるんだなというのが分かるような形にすると、やはりチャレンジをした職員たちも皆さんから承認される、そういったチャレンジの風土が整っていくと思いますので、ぜひ検討の際には、そういった面も含めて検討いただければと思います。
 また、中津市さんは、僕も今回の一般質問の前に調べたら、今年の夏は、高校生に動画配信コンクールをソフトバンクと提携してやるというのを見ました。そう言えば、私令和3年9月議会で──〔一般質問終了5分前のブザーが鳴る〕──一般質問で、夏休みの宿題に、伊予市のPR動画とかを中学生とかにつくってもらって、そういった作成技術共にやったらいいじゃないかという質問を9月にしました。そのときは、教育長からも学校現場と連携しながら取り組む必要があるので、今後の課題としますというような答弁をいただきましたので、またこれは次の9月議会のときにもやりたいと思いますが、ぜひどんどんどんどんこういったいろんなチャレンジができていく、それが市の中だけで完結するんじゃなくて、市民みんなで何かそういうチャレンジの素養ができる町になっていってほしいなという願いを込めて、私の一般質問を終わりたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
○議長(北橋豊作 君) 暫時休憩をいたします。
            午前10時46分 休憩
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